木村博士 書にも才能 掛け軸や額装展示 宇宙遊学館【奥州】

木村博士の書を集めて展示している企画展

 国立天文台水沢VLBI観測所の前身、臨時緯度観測所の初代所長を務めた木村榮博士(1870~1943年)の書を集めた企画展は、10日まで奥州市水沢星ガ丘町の奥州宇宙遊学館で開かれている。市民や学校などから借りた掛け軸や額装された書を展示し、卓越した書の腕前があった木村博士の才能を紹介している。

 国立科学博物館の馬場幸栄研究員などが主催。2015年に国立天文台の学芸員だった馬場さんが、同VLBI観測所から500枚を超えるガラス乾板写真を発見したのをきっかけに、復元した情報から観測所の歴史や木村博士の人物像などを研究している。今回は馬場研究員の提案で書の展示が実現した。

 木村博士は幼少から書を学び、「千山(せんざん)」の雅号を名乗った。緯度観測所長として水沢で暮らす中、達筆の書は所員や地域住民の求めに応じてプレゼントしたという。一部は水沢の学校や公共施設、個人宅で展示、保管されている。

 開催時間は午前9時から午後5時まで。鑑賞には入館料が必要。

© 岩手日日新聞社