一関市千厩町奥玉の産業廃棄物処理業ニッコー・ファインメック(小野寺真澄代表取締役)は、「都市鉱山」を活用して製造するジュエリーブランド「sese(せせ)」を立ち上げた。回収した小型家電などから取り出した地金を精錬し、職人がネックレスや指輪に加工。リサイクル業界の一員として資源循環を促進する。
都市鉱山は、廃製品から資源を得ることを採掘に例えた表現。「sese」では使用するすべての金を同社が回収した廃製品から精錬し、指輪とネックレスの手加工の装飾部分や鎖などに活用。デザインは、オーソドックスな「コイン」、草花をモチーフにした「フローライン」、千厩と関わりが深い馬の蹄鉄を模した「ホースシュー」の三つのシリーズを用意した。
都市鉱山から採れる金は、鉱石の場合と比べ環境負荷が小さく、SDGs(持続可能な開発目標)にマッチする。ブランド名は「生生世世(しょうじょうせぜ)」から取り、金属が永続的に再利用できるという意味を込めた。
同社は貴金属の精錬業からスタート。ジュエリーも約40年取り扱っており、近年はオーダーメードにも応じている。小型家電リサイクル法で県内初の再資源化事業者に認定。2021年東京五輪では「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」に参画したが、都市鉱山からの資源循環があまり認知されていないと感じ、これがブランド立ち上げの動機となった。
小野寺代表取締役は「購入された方からは、現実に資源循環できていることが分かるという声を頂き、リサイクル関連業者からも好評だ。資源不足の中、取り組みをアピールしていきたい」と話している。
価格はいずれも税込み5万円。クラウドファンディングサイト「Makuake」で30日まで先行販売している。
問い合わせは同社=0191(56)2601=へ。