鳥山明 訃報報道後、オークションサイトでサイン色紙の贋作が続々出現? 

■鳥山明作品のグッズが軒並みプレミア化

『ドラゴンボール』『Dr.スランプ』など、漫画史に残る傑作を生みだした漫画家・鳥山明が、急性硬膜下血腫のため3月1日に急逝した。68歳。鳥山は間違いなく世界を代表する漫画家であり、世界中にファンがいる。

近年、『ドラゴンボール』をリアルタイムで読んでいたファンが大人になり、子どもの頃に手にできなかったグッズを買い求めているという。その影響で、レアグッズはとんでもないプレミアがついている。

例えば、『ドラゴンボール』の連載が始まった「週刊少年ジャンプ」1984年51号は、2年前くらいまでは18万円~20万円程度で取引されていたが、今では状態が良ければ30万円を超えるとも言われる。これは歴代の「ジャンプ」でも屈指のプレミアがつく号として有名だ。

そして、熱狂的なファンの間で人気が高まっているのが、鳥山のサイン色紙である。3月6日には「まんだらけオークション」で鳥山の『ドラゴンボール』の孫悟空を描いたサイン色紙が560万円で落札された。過去には1000万円を超える価格で落札されたものもある。

鳥山のサインは世界中にコレクターがいるといわれる。しかも、もう二度と描いてもらうことができなくなったとあって、今後、価値が上昇していくことは間違いないとみられる。

■サイン色紙の贋作、出品が相次ぐ

その一方で問題になっているのが、サイン色紙の「贋作」だ。ネットオークションやフリマサイトを見ると、鳥山の贋作サインが出るわ出るわ…… というより、こうしたサイトで販売されているサインの99%は贋作といっていい。

贋作は稚拙なものから、プロでも見分けがつかないレベルのものまで様々である。なかには、漫画家やアニメーターなどのプロが贋作作りに手を染めている例もあるようだ。ネット界隈では以前から問題視されているが、取り締まりは行われていない。

贋作らしきものが出品された日は、鳥山急逝のニュースが出た3月8日付けのものが多い。悲しいことに、偉大な漫画家の死に便乗して一儲けしようと目論んだ連中が存在するようだ。なかには早くも数万円、中には20万~30万円台で売れてしまったものまで存在する。

しかも、精巧な偽物ではなく、鳥山の作品を見ていれば見分けがつくレベルの稚拙なものが実際に売れてしまっているのだ。これは売る側が悪すぎるのは言うまでもないが、買う側は偽物にくれぐれも注意してほしいし、サイト側もしっかり取り締まりを行うべきではないだろうか。

(文=山内貴範)

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