日本留学で得た農業技術を地元に還元 中国甘粛省

日本留学で得た農業技術を地元に還元 中国甘粛省

5日、農業用ハウスでトマトの生育状況を確認する王霄雲さん。(定西=新華社配信)

 【新華社蘭州3月10日】中国甘粛省定西市の王霄雲(おう・しょううん)さん(33)は、日本留学中に農業に最新テクノロジーを活用する「アグリテック」の重要性に気付き、先進的な技術を故郷に持ち込んで地元農業の発展に尽力している。

 北京外国語大学で日本語を専攻していた王さんは3年生だった2013年4月、日本の東京農工大学で園芸学を学ぶ道を選んだ。留学中、農業機械の使用率の高さや農業生産モデルの先進性、行き届いた管理など日本の種苗業の発展を実感。15年に留学を終えると、故郷の農業生産技術を向上させる志を胸に秘めて帰国した。

日本留学で得た農業技術を地元に還元 中国甘粛省

5日、育苗ハウスで点播試験を行う王霄雲さん。(定西=新華社配信)

 王さんは同市安定区魯家溝鎮に定西海闊種子農民専業合作社(協同組合)を創設し、地元の農家の人たちに呼びかけて技術レベルの高い種苗場を設立。合作社に新たな技術と管理法を導入した。

 合作社は無償で技術を教え、種と化学肥料も提供し、地元の人たちの「共同富裕」の実現を後押ししている。王さんの指揮の下、これまでに連棟型農業用ハウス300棟、ソーラー温室14棟、500ムー(約33ヘクタール)の屋外種苗場を完成させた。主にトウガラシやトマト、エンドウなど上質でクリーンな種を生産。質の良さを強みに複数の海外企業と安定的な提携関係を結び、米国や日本など7カ国・地域に販売している。

日本留学で得た農業技術を地元に還元 中国甘粛省

5日、農業用ハウスでトマトの生育状況を確認する王霄雲さん。(定西=新華社配信)

 王さんは農家の人たちの収入増にも熱心に取り組んでいる。現在は58世帯が合作社の農業用ハウスを借り受けており、各世帯とも年間の収入が平均3万元(1元=約20円)以上増加。合作社は地元農家の人たちに600余りの就業機会も提供している。(記者/張文静、陳佳璐)

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5日、実験室で種の発芽率を測定する王霄雲さん(中央)。(定西=新華社配信)

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5日、育苗ハウスの温度をチェックする王霄雲さん。(定西=新華社配信)

日本留学で得た農業技術を地元に還元 中国甘粛省

5日、育苗ハウスで点播試験を行う王霄雲さん(右)。(定西=新華社配信)

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