エルニーニョ現象 最盛期過ぎる 春の間に終息の可能性高い

エルニーニョ・ラニーニャ現象の経過と予測(出典:気象庁HP)

気象庁は11日(月)、エルニーニョ監視速報を発表した。昨年の春からエルニーニョ現象が続いているが、最盛期は過ぎつつある。今後春の間にエルニーニョ現象が終息して、平常の状態になる可能性が高い(80%)。

エルニーニョ・ラニーニャ現象の発生確率(出典:気象庁HP)

 2月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値からの差は+1.8℃で、1月に比べて差が小さくなった。大気はエルニーニョ現象時の特徴が明瞭だが、海洋はエルニーニョ現象時の特徴が弱まりつつある。昨年の春からエルニーニョ現象が続いているが、最盛期は過ぎつつある。

 大気海洋結合モデルは、冷水の東進が続き、エルニーニョ監視海域の海面水温が次第に下降して、春の間に基準値に近づくと予測している。その後、太平洋赤道域の西部~中部で貿易風が強まるとともに、中部~東部の冷水がさらに強まり、夏の間はエルニーニョ監視海域の海面水温が、基準値に近い値か基準値より低い値で推移すると予測している。

 以上から、今後、春の間にエルニーニョ現象が終息して、平常の状態になる可能性が高い(80%)。その後、夏の間にラニーニャ現象が発生する可能性もあるが(40%)、平常の状態が続く可能性の方がより高い(60%)。

エルニーニョ/ラニーニャ現象とは

 エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象のこと。逆に、同じ海域で海面水温が、平年より低い状態が続く現象はラニーニャ現象と呼ばれる。ひとたびエルニーニョ現象やラニーニャ現象が発生すると、日本を含め世界中で異常な天候が起こると考えられている。

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