ジャイアンツがデービスを解雇へ 「ルールの抜け穴」との指摘も

日本時間3月12日、ジャイアンツがJ・D・デービスを解雇した(厳密にはリリース・ウエーバーに登録した)ことが明らかになった。マット・チャップマンの加入後、トレード要員となっていたデービスだが、トレードは成立せず、ジャイアンツはデービスをウエーバー公示。ウエーバーでも獲得を希望するチームが現れなかったため、最終的には解雇することになった。なお、デービスの今季の年俸は690万ドルだが、現行の労使協定のルール上、全額が保証されているわけではなく、ジャイアンツは約111万ドルを負担するだけで済む可能性がある。

ジャイアンツがデービスを解雇した今回の動きについては「ルールの抜け穴」との指摘も出ている。今オフ、デービスはジャイアンツとの年俸調停に勝利して今季の年俸が690万ドルに決まったが、年俸調停を経て決まった年俸はシーズンが開幕するまで全額が保証されるわけではない。シーズン開幕の16日以上前に解雇した選手には年俸を日割り計算した30日分を支払えばいいため、ジャイアンツは年俸690万ドルのデービスを解雇しても約111万ドルを負担するだけで済む。逆に、デービスは今回の解雇によって500万ドル以上のサラリーを失うことになる。

ただし、移籍情報サイト「MLBトレード・ルーマーズ」によると、労使協定には「十分なスキルや競争力を発揮できなかった選手」にのみ、日割り計算の規定は適用されることが記されているという。デービスは昨季ジャイアンツの正三塁手として144試合で18本塁打を放ち、今年のオープン戦でも6試合で打率.400、2本塁打、OPS1.271をマーク。今回の解雇は明らかにジャイアンツ側の都合によるものと言える。「スキルを発揮できなかった選手」には該当しない可能性が高く、デービス側が異議申し立てを行えば、年俸690万ドルの全額を保証してもらえるチャンスはあるかもしれない。

ファーハン・ザイディ編成本部長は「トレードを持ちかけたが、他球団との話し合いはあまり盛り上がらなかった。ウエーバーを通過したという知らせを受け、解雇することを決めた。彼よりも序列の高い選手に多くの打席を与えることを優先した結果だ」とコメント。なお、デービスはリリース・ウエーバーを通過すれば、完全なフリーエージェントとなり、他球団と自由に交渉することができる。

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