黄金色の地ビールはバナナの香りとほのかな甘み 「女子会映え」狙い岡山県立大学生グループ開発 学内アンケート踏まえ苦味抑えて飲みやすく

岡山県立大・大学院の学生たちが開発したクラフトビール「ハイッ チアーズ!!」

地ビールで地域を盛り上げようと岡山県立大・大学院(総社市窪木)の学生グループが「ビールは苦い」というイメージを覆すクラフトビール「ハイッ チアーズ!!」を開発した。女性8人のメンバーが「女子会で映える」ようビールらしい黄金色を保ちつつ、苦手な人も飲みやすい味わいを実現。岡山市内の醸造所で2月から販売し好評となっている。

「Kawazu Brewing」で提供しているクラフトビール「ハイッ チアーズ!!」

透き通った金色のビールを一口含むと、バナナのような香りが鼻に抜ける。ほのかな甘みがあり、すっきりした飲み心地。確かに飲みやすい。

酵母の香りを生かすベルギー由来の「ベルジャンペールエール」というタイプを採用し、麦芽、ホップ、酵母の配合を調整して醸造した。写真を撮るときのかけ声「はいチーズ」と、乾杯を意味する「Cheers(チアーズ)」を組み合わせて命名。ラベルデザインも瓶を横に並べるとグラスを合わせるイラストがつながるよう工夫している。

発酵やデザインを学ぶ4年生4人と大学院生4人が、県内の地ビール醸造所をPRすることで地域活性化につなげようとグループを結成し、昨年7月に着手。学内でアンケートし、ビールが嫌いな理由に苦みを挙げる声が大半を占めたことから、「フルーティーな味わいで透き通った色」をテーマに決めた。

製造は若者の酒離れに危機感を感じ、学生との連携を考えていたというクラフトビール醸造所「Kawazu(カワズ) Brewing(ブルーイング)」(岡山市北区出石町)店主の永原康史さん(40)が協力。既存のクラフトビール約50種類を飲み比べてタイプを絞り、イメージを共有しながら一緒にレシピを考えた。

開発したクラフトビールを手に笑顔を見せる岡山県立大・大学院の学生たち

永原さんは「苦手な人を対象につくるという視点は今までになく、可能性が広がった。主流ではないタイプなのに他と遜色なく売れている」とし、大学院1年服部蒔季さん(23)も「苦手だったビールの印象が変わった」と出来栄えを評価。代表の4年光畑沙香さん(22)は「今まで避けてきた人にお薦めしたいものができた。飲み始めるきっかけになればうれしい」と話す。

「ハイッ チアーズ!!」は「Kawazu Brewing」(086―897―0017)で330ミリリットル瓶入り583円で販売し、併設の飲食スペースでも提供している。午後3時(土日祝日は午前11時半)~10時。火曜定休。

(まいどなニュース/山陽新聞)

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