カンボジアのビッグクラブ突然のリーグ離脱、過去には井手口兄が所属

井手口正昭 写真:Getty Images

カンボジア1部リーグ準優勝2回、フン・セン・カップ優勝3回を数える強豪ビサカFCが、突然今季残りのリーグ戦とカップ戦の離脱を表明した。理由は明らかにされていない。

これにより、ビサカはカンボジアプレミアリーグ第24節以降とフン・セン・カップ準決勝以降の全ての試合を不参加となる。この突然の離脱は、カンボジアリーグ史上で最大の激震となっている。

ビサカのオウ・パンヤソケチャ最高経営責任者は地元メディアに対し「誰もがこれがスポーツ的な判断なのかと尋ねるが、批判や差別的な言葉をかけるとき、自分の言葉を吟味する者はいない。彼らがカンボジアサッカーをどれだけ愛しているというのか?カンボジアサッカーのために自分のリソースを割いたことがあるのか?文句を言う前にこの世界で働いたことがあるのか?サッカー界発展のための全体像が見えているのか?」と述べ、離脱理由の言及は避けた。

ビサカは2016年設立の新興クラブながら、カンボジアリーグにおいて最も強力な資金力とインフラを持つクラブと言われてきた。2017年に2部リーグを制して1部昇格すると、昇格シーズンの2018年には3位、2019年には2位といきなり優勝争いに加わり、2022年にも2位の好成績を残している。

ベトナム系のFWケオ・ソクペンをはじめとするカンボジア代表選手だけでなく、有力な外国人助っ人を相次いで獲得して国内屈指の強豪となり、フン・セン・カップでは、2020年から2022年まで3連覇を達成。過去には、元日本代表MF井手口陽介(ヴィッセル神戸)の兄であるMF井手口正昭(元横浜FC、元FC大阪、元ホアン・アイン・ザライ、2021年引退)が所属していたことでも知られる。

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