公園内でもOK! 市が積極的に協力する青森県三沢市の定番「お花見BBQ」ってどんなもの?

市が積極的にバックアップ? 青森県三沢市・春の定番「お花見BBQ」

春の一大イベントといえば、桜を愛でる“花見”。「花より団子」ということわざがあるように、人によっては宴会に夢中な場合も? さて、花見で食べる料理や文化は家庭・地域ごとに異なりますが、青森県の三沢市では、市全体で「BBQ(バーベキュー)」が主流なのだとか。これには三沢市ならではの理由があるそうです。三沢市経済部産業観光課(青森県三沢市)の村井さんに話を聞きました。

「BBQでやりたい」「絶対うまいわ」SNSで話題“肉巻きみたらし団子” 作ってみたら大正解でした

花見宴会のオーソドックスなスタイルといえば、桜の下にレジャーシートを敷き弁当やオードブル、団子などのスイーツを食べるというイメージ。もちろんBBQを取り入れている人たちもいます。では三沢市の花見BBQは何がちがうのでしょうか? 村井さんによると、発祥の理由が他府県とは異なるようです。

「青森県の東部に位置する三沢市にはアメリカの空軍・海軍も利用する『三沢飛行場』があります。そのため市内には多くのアメリカ人が暮らしており、食文化などにも色濃くアメリカ文化が反映されています。諸説あるようですが、まず米軍基地内で働いている日本人従業員が基地内で見かけたBBQをしてみたいと肉屋に相談したことから始まったという説が有力です。そこから肉屋がドラム缶で焼き台を製作したことをきっかけにBBQ文化が広まり、人が多く集まる花見でもおこなわれるようになったそうです」(産業観光課)

シンプルなきっかけから始まり、いまや「お花見BBQ」はすっかり定着。花見に限らず三沢市民はBBQが大好きで、天気がいい週末には自宅や公園で行うなど同市のBBQ人口は青森県他地域に比べても格段に多いとのこと。

ゴミや煙が出るうえ楽しむ側のマナー低下もあり「BBQ禁止」を掲げる公園が増加する昨今、三沢市はむしろウェルカムな様子。なんと市内のほとんどの公園で、事前に市役所の都市整備課に連絡することで気軽にBBQができるのだとか。市内の店ではBBQに特化したサービスも展開しています。

「市内にある多くの肉屋や酒屋では、事前に予約をしておくと食材や各種飲のほか焼き台といったBBQツールまで会場へ配達してくれるサービスを実施しています。なかには使用した道具や炭・ゴミを回収してくれる店もあります」(産業観光課)

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桜の木の下で豪快に肉や海鮮をほおばる「お花見BBQ」。市と飲食店によるバックアップがしっかりしている三沢市だからこそ成立する文化ですね。

(取材・文=つちだ四郎)

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