アメリカ政府、ウクライナに443億円相当の軍事支援 弾薬やロケット弾など

アメリカ政府は12日、ウクライナに3億ドル(約443億円)相当の軍事支援を提供すると発表した。これには弾薬やロケット弾、対空ミサイルなどが含まれる。米議会下院でウクライナへの追加支援を含む予算案が行き詰まっている中での突然の発表となった。

アメリカがウクライナに武器・装備を供与するのは約3カ月ぶり。ウクライナがロシアとの戦いで劣勢に立たされるのを避けるのが狙い。

ジェイク・サリヴァン大統領補佐官(国家安全保障担当)は今回の支援について、「ウクライナの戦場でのニーズを満たすには到底足りない」規模だと述べた。

「今回提供する弾薬によって、ウクライナ側は一定期間、銃を撃ち続けられるようになる。ただそれは、ほんの短い期間でしかない」と、サリヴァン氏は12日に記者団に語った。「ウクライナ側の弾薬切れを防ぐことはできない」。

米上院は先月、ウクライナのほかイスラエルや台湾に対する支援を含む総額950億ドル(約14兆3000億円)余りの外国支援包括予算案を可決した。このうち対ウクライナ軍事支援は600億ドル。

ホワイトハウスは現在、下院での同予算案の可決を求めている。

マイク・ジョンソン下院議長(共和党)はこれまでのところ、同予算案の審議を拒否している。ドナルド・トランプ前米大統領の盟友であるジョンソン氏は、下院で審議するには、まずアメリカの移民制度を徹底的に見直す予算を可決する必要があると主張している。

下院の超党派グループは12日、上院で可決された予算案の採決を強行できる異例の手続き上の戦術を試みようと、請願を開始した。この手法の成功例は2015年以来ない。

ジョー・バイデン米大統領はこの日、ホワイトハウスでポーランドのアンジェイ・ドゥダ大統領と会談し、ウクライナを支援する姿勢を見せた。

デンマークも同日、約3億3600万ドル相当の弾薬と大砲をウクライナへ送ると発表した。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は先月、同国はこの数カ月間、武器の「人為的な不足」が原因で劣勢になっていると述べていた。

(英語記事 White House to send new $300m weapons package to Ukraine

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