ダイナベクター、新開発の特殊焼鈍磁気回路を採用した低出力MCカートリッジ「XX-2A」

ダイナベクターは、新開発の特殊焼鈍磁気回路を採用したMCカートリッジ「XX-2A」を3月19日(火)に発売する。価格は385,000円(税込、以下同)。なお、同一モデルの新品買い換えや、既存モデル「XX2MKII」「XX-2」「XX-1」からの買い替え時は、トレードイン価格の308,000円にて購入可能。また、針交換価格は211,750円となる。

「XX-2A」

磁気回路を構成する純鉄に対する「磁気焼鈍」の最適化にこだわり、優れた磁気性能をさらに引き出したというMCカートリッジ。

磁気焼鈍とは、純鉄がパーツとして加工成形される過程で損なわれた透磁性を、加熱冷却によって回復させる焼きなまし工程のこと。この磁気焼鈍において焼鈍温度、焼鈍環境、加熱時間、加熱率、冷却率など細部までこだわり抜くことで、理想的な物性を備えた新型の特殊焼鈍磁気回路を実現。歪の無い優れた解像力、のびやかな広域の表現、音場空間の広がりなど、音質の全てが飛躍的に向上したと同社はアピールする。

マグネットには磁気抵抗の低いアルニコマグネットを使用。サマリウムコバルト磁石やネオジムボロン磁石などの高エネルギー希士類磁石に比べて磁気抵抗が極めて低いため、レコード再生時の磁力の揺らぎが少なく、高いS/Nと立ち上がりの良さが特徴だとしている。

フロントヨークに巻かれた巻線コイルは、エアギャップ内の磁束(Flux)を安定させるための特許取得技術フラックス・ダンパーを搭載。フロントヨークとリアヨークは磁石と共にステンレスボルトで固定することで剛性を高めつつ、音質に大きく影響する締め付けトルクなど、熟練技術者の手により一点一点綿密に調整しつつ組み立てるという。

長さ6mm、0.3φのカンチレバーはソリッドボロンを使用し、スタイラスチップとしてPathFinder(PF)ラインコンタクト針を装着。 軽量かつリジッドな振動系に仕上げたとする。針圧は1.8 - 2.2gとなる。

出力電圧は.28mV(at 1KHz, 5cm / sec.)、チャンネルセパレーションは30dB(at 1KHz)、チャンネルバランスは1.0dB(at 1KHz)、周波数特性は20 - 20,000Hz(±1dB)、コンプライアンスは10mm/N、インピーダンスは6Ωとなる。質量は9.3g。

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