神奈川でも広がる賃上げ 日産は満額回答、千代化・コロワイド・横浜銀などもベア 背景に人材確保

(資料写真)

 2024年春闘が13日、集中回答日を迎えた。トヨタ自動車や日立製作所といった大手が労働組合の賃上げ要求に相次いで満額回答。日産自動車(横浜市西区)をはじめ、神奈川県内企業でも人材確保などを目的に、賃上げを行う動きが広がっている。

 日産は今春闘で、労働組合が要求した平均賃金改定額5%増となる1万8千円の賃上げに満額で回答。内田誠社長は13日の会見で「働きたいと思える環境を与えていきたい。従業員の貢献や物価上昇も勘案し、業界を代表する責務でもある」と説明した。

 プラント建設大手の千代田化工建設(同)は約11%の賃上げを行う。ベア相当分は7%程度の3万6千円(全社員平均)。同社がベアを行うのは1996年以来という。

 このほか、コロワイド(同区)やコンコルディア・フィナンシャルグループ(FG)傘下の横浜銀行(同)、川崎信用金庫(川崎市川崎区)も昨年に続いてベアを実施する。

 家電大手のノジマ(横浜市西区)は昨年同様、前倒しして1月にベアを実施。2年連続で正社員(新入社員含む)と契約社員の給与を一律1万円引き上げた。対象者は約3千人といい、「今後も従業員がやりがいを持って働く環境づくりを続けていく必要があると感じている」と担当者は話す。

© 株式会社神奈川新聞社