世界半導体産業、24年は回復に向かう 国際業界団体幹部

世界半導体産業、24年は回復に向かう 国際業界団体幹部

黒竜江省穆棱市にある北一半導体科技の工場で働く従業員。(資料写真、ハルビン=新華社記者/王建威)

 【新華社北京3月14日】半導体関連の国際業界団体、国際半導体製造装置材料協会(SEMI)のグローバル・バイスプレジデントでSEMI中国の総裁を務める居竜(きょ・りゅう)氏はこのほど、今月20日に上海市で開幕する世界最大規模の半導体展示会「セミコン/FPDチャイナ2024」に関する記者会見で、今年は世界半導体産業が落ち込みから一転して回復に向かうとの見通しを示し、中国市場が依然として世界最大の半導体市場だと強調した。セミコン/FPDチャイナ2024には国内外から1100社が出展する予定で、これも中国半導体市場の魅力と重要性を映し出していると述べた。

 居氏によると、世界半導体産業は23年に景気後退局面に入り、市場規模は約11%縮小した。現在は24年に回復に向かうとの見方が広がっている。SEMIは24年に市場規模が10%以上伸び、6千億ドル(1ドル=約147円)に迫ると予測。新エネルギー車(NEV)や第5世代移動通信システム(5G)/第6世代移動通信システム(6G)、自動運転、人工知能(AI)生成コンテンツ(AIGC)、AI搭載パソコン(AIPC)などの急速な発展により、市場需要が日増しに高まり、30年までに世界の半導体売上高が1兆ドルを超えると見込んでいる。

 細分化された市場ごとに見ると、ウエハー製造分野では、世界のウエハー月間生産能力(WPM)が23年に5.5%増の2960万枚だったのに対し、24年には6.4%増え、初めて3千万枚の大台を超えるとみられる。設備分野では、世界市場は23年に2%減の1千億ドルと小幅に落ち込んだのに対し、24年はプラス成長を取り戻すと予測した。25年には生産能力の拡張、ウエハー工場の新設プロジェクト、フロントエンドとバックエンドの先進技術・ソリューションに対する高い需要を受け、設備の売上高が過去最高の1240億ドルに上る。材料分野では、世界半導体材料市場も23年に縮小傾向をみせたが、24年の売上高は22年の水準にまで回復するとした。

 居氏は「世界半導体産業は落ち込みから回復に向かい、しかも成長ペースが減速することはないだろう。中国市場は依然として世界最大の半導体市場であり、いくつかの課題に直面しているものの、われわれは楽観的に見ている」と述べた。

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