富裕層は意外と庶民的!「元メガバンク銀行員が見た」富裕層が実践している節約術4選!

富裕層の割合やお金の使い方を紹介

2024年1月からスタートした新NISAで、初めての資産運用を経験した方もいるのではないでしょうか。

日経平均株価は3月7日にバブル経済崩壊以降の最高値を超え、一時、4万円を超えて取引時間中の史上最高値を更新しました。

該当銘柄を持っている人のなかには相当な利益が出て「お金持ち」への一歩を踏み出した方もいるでしょう。

さて、いわゆる「お金持ち」と言われる富裕層ですが、どのようなイメージをもつでしょうか。タワマンに住んで、高級車に乗り、悠々自適な暮らしを想像する方も多いでしょう。

今回はそんな「富裕層」にフォーカスして、富裕層の割合や意外な倹約家ぶりを元銀行員の筆者の目線で紹介したいと思います。

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日本にいる富裕層の割合

これまでなんとなくイメージで捉えてきた「富裕層」ですが、日本にはどのくらいの割合で富裕層が存在しているのでしょうか。

株式会社野村総合研究所によると富裕層は「純金融資産保有額1億円以上」と定義づけられ、その数はおよそ149万世帯にのぼるとしています。

純金融資産保有額の階層別にみた保有資産規模と世帯数

【一覧表】富裕層の世帯数と保有資産規模

  • 超富裕層(5億円以上):9万世帯/105兆円
  • 富裕層(1億円以上5億円未満):139万5000世帯/259兆円
  • 準富裕層(5000万円以上1億円未満):325万4000世帯/258兆円
  • アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満):726万3000世帯/332兆円
  • マス層(3000万円未満):4213万2000世帯/678兆円

すなわち、日本全体の約2%が富裕層に該当していることになります。

日本人は平均でどれぐらい貯蓄があるの?

では、実際のところ日本の世帯ではどれくらいの貯蓄額を保有しているのでしょうか。

厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると、全世帯の貯蓄階層別の分布図のうち最も多いのは「3000万円以上」と答えた人で、全体の11.8%を占めています。

全世帯の貯蓄階層別の分布

この結果を見ると、「意外と貯蓄を持っている人が多い」と感じた方もいるのではないでしょうか。

「1億円以上の富裕層を目指す」となるとハードルが高く感じられますが、資産運用や節税を活用してコツコツ資産形成していけば、一般家庭でも一定の資産を築くことができるのです。

富裕層が実践している節約術4選

富裕層には大きく分けて「資産を代々相続している人」と「一代で資産を築いた人」の2パターンがあります。

これから資産形成に取り組む方に参考にしていただきたいのは、後者の富裕層が行っている節約術です。

ここからはひとつずつ紹介していきます。

お金を使うときはコストを最小限に抑える

富裕層というと、好きなものを好きなだけ買うようなイメージがあるかもしれませんが、実際は正反対です。

富裕層ほど少額のコストや手数料に敏感で、最もコストの低い方法を選びます。

たとえば、銀行での振込手数料や投資信託の購入時手数料など、比較したうえで一円でも安く抑えられるものについては、ご自身でしっかりと精査して決める方が多かったように思います。

税金対策はぬかりなく

ただでさえ税負担が大きい富裕層は、税金対策もぬかりなく行います。

特に、所得控除やふるさと納税など、税制に関する情報はいち早くキャッチし、自分の生活に取り入れている方がほとんどです。

「自分がどの税金をいくら納めているか」ということを正確に把握している人は意外と少ないものです。

しかし、手取り額を増やして貯蓄に回すためには、税制を自分自身で理解して対策に取り組むことが重要です。

実際に富裕層でもNISAやiDeCoを活用している方は多いです。「いくらでもお金はあるし非課税じゃなくてもいい」ではなく、「メリットがあるならやる」という発想の方が多いのです。

面倒だからと先送りにせず、自ら情報収集に取り組むことで、意外な税制優遇が受けられるかもしれませんよ。

見栄で買い物をしない

富裕層と聞くと高級外国車、上から下まで全身ハイブランド…という派手な印象を持つ人もいますが、筆者が銀行員だった時代にはこういった方は少なかった印象です。

富裕層が乗っている車は実際には実用的な乗用車であることがほとんど。服装も、ハイブランドの派手なデザインというよりは、誰もが日常的に使用しているブランドの服を着ている方が多かったように思います。

大きな資産を築くためには目先の見栄ではなく、長期的な目線で使えるものかどうかを考える視点は大切ですね。

お金に働いてもらう

富裕層のお客様の中に「お金持ちになるには『自分がどうしたら働かずに済むか』を考えることが大事」と仰る方がいました。

実際に、富裕層ほど「お金に働かせる」という意識が強い方が多く、投資信託や保険商品などを活用した資産運用を積極的に行っている方が多かったように思います。

こういった「お金に働いてもらう」という視点は、私たちもすぐに真似できる部分でしょう。

富裕層は庶民的!まずはコツコツ資産形成を始めよう

富裕層が実践している節約術は、私たちにも今日から取り入れられる習慣ばかりです。

いきなり大きな資産を築くことは難しいものの、毎日コツコツと節約する意識をもつだけでも、将来的な資産形成につながります。

今回紹介した節約術の中から気になるものがあれば、ぜひ今日から取り入れてみてください。

参考資料

  • 厚生労働省「2022(令和4)年国民生活基礎調査」
  • 株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層は149万世帯、その純金融資産総額は364兆円と推計 | ニュースリリース | 野村総合研究所(NRI)」

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