米兵8人が麻薬密輸疑い 「非公用軍事郵便物」を利用 嘉手納基地所属の20代男女を書類送検

(資料写真)パトカー

 合成麻薬を自ら使用する目的で米国から密輸したなどとして、九州厚生局沖縄麻薬取締支所が米軍嘉手納基地所属の空軍兵で20代の男女8人を麻薬取締法違反(輸入)などの疑いで書類送検していたことが14日、同支所への取材で分かった。米軍基地宛ての「非公用軍事郵便物」を利用していたという。同支所は8人の処分や認否を明らかにしていない。

 8人はそれぞれ2023年3~9月の間、米国の違法薬物サイトで電子たばこに装着する小型の入れ物に入った合成麻薬の液体10~30グラムを発注し、国内に密輸したり所持したりした疑いがある。米ネバダ州、テキサス州などから発送され、沖縄地区税関が嘉手納基地内で検査して発覚した。

 通報を受けた同支所が米空軍特別捜査局と合同で、容疑者らの基地内外の自宅を家宅捜索。複数の合成麻薬を押収した。23年7月~今月13日に8人を書類送検し、米麻薬取締局には利用された販売サイトなどについて情報提供した。

 密輸された合成麻薬は「MDMB-4en-PINACA」と呼ばれ、大麻成分に似た合成化合物を含む。幻覚作用があり、日本では21年10月に麻薬に指定された。米国では昨年5月、ヘロインと同様に最も危険と分類されたという。

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