「中国の対外開放は多国籍企業に利益をもたらす」 DHLピアソンCEO

「中国の対外開放は多国籍企業に利益をもたらす」 DHLピアソンCEO

DHLの小型無人機専用のスマートキャビネット。(資料写真、広州=新華社配信/億航智能公司提供)

 【新華社ボン3月15日】ドイツ国際物流大手DHLエクスプレスのジョン・ピアソン最高経営責任者(CEO)はこのほど、ボンで新華社の取材に応じ、「われわれは中国の対外開放をうれしく思う。これは世界貿易を促進するだけでなく、中国で事業を展開する多国籍企業にも利益をもたらしている」と述べた。

 ボンに本部を置くDHLは早くから中国市場に進出した国際物流大手の一つで、中国経済の発展と産業のモデル転換に関与し、利益を得てきた。30数年にわたり、中国市場で物流インフラの建設と国際宅配便サービスネットワークの構築を続けている。

 ピアソン氏は中国市場の開放性とイノベーションへの受容性が同社の市場開拓と技術イノベーションに多くの機会をもたらしたと表明。中国では「チャンスは無尽蔵で、イノベーションはとどまるところを知らない」と語った。

 世界の貿易環境は依然として不十分だが、物流業がよりグリーン(環境配慮型)でクリーンな方向へと発展する中、グリーン転換が新たな事業の成長分野を生み出す可能性があると指摘。中国市場と顧客は持続可能なソリューションを一層重視するようになり、それが企業に大きな発展の余地をもたらしていると述べた。

 DHLが2023年に中国で行った物流インフラ関連投資額は3億元(1元=約21円)を超え、資金は主に重要な口岸(通関地)施設の改造・拡張と高度化、大陸間を結ぶ貨物直行便の増便、クリーンな運営の推進などに充てられた。

 同社の中国部門は物流車両の電動化で世界に先行している。中国市場ではこのほど、水素を燃料とするトラック8台が正式に投入された。月間走行距離は2万キロを超える見通しで、二酸化炭素(CO2)の年間排出量を170トン削減できるとみられる。

 デジタルトランスフォーメーション(DX)について、中国の技術進歩は顧客満足度や従業員エンゲージメント、運営効率の向上を助けていると評価。配達員が使用する高性能スキャナーから人体工学に基づいた施設・設備に至るまで、同社の中国部門はデジタル技術と設備の融合を実現していると説明した。

 また、中国の科学技術イノベーションは引き続き物流業界に無数の機会を創出するとし、中国のパートナーと共に無人機(ドローン)の商用サービス分野における協力の可能性を探ることへの期待を示した。

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