困難を超えた先に見つけた姉弟の幸せとは 『イーちゃんの白い杖 特別編』予告編公開

5月10日より新宿武蔵野館ほかにて公開される、生まれつき目の見えない“イーちゃん”を25年間追い続けたTVドキュメンタリー『イーちゃんの白い杖 特別編』の予告編が公開された。

前に進もうとするたび、何度もぶつかる壁。それでも決して負けない姉弟……。本作は、2018年に静岡3映画館で公開後、翌年には東京でも公開され、2023年日本民間放送連盟賞でテレビ・グランプリを受賞したドキュメンタリー。『特別編』として、新たな映像も追加されている。

「命は、ひとつ」そう教えてくれたのは、重い障がいをもつ弟だった。家族、友だち、恋人……すべての出会いが、イーちゃんを強くする。静岡県に暮らす、生まれつき目が見えないイーちゃん(小長谷唯織)と、重い障がいをもつ2歳下の弟・息吹。遡ること25年前、盲学校に通うイーちゃんは次第に「どうして自分だけ違うのか」と疑問を抱き始める。たくさんの友だちと離れ離れになり、いじめを経験し、大好きなピアノに触れても晴れない心……。自殺という二文字が頭をよぎったとき、隣には病と向き合い前進し続ける弟がいた。次々にやってくる挫折や苦難、数えきれないほど立ちはだかる壁をひとつずつ乗り越えた先に、幸せはやってくる。

公開された予告編は、小学生時代のイーちゃんの姿から始まる。スーパーで点字を学び、大好きなピアノに励み、そんななかで経験したいじめ。「学校にいても辛い、家にいても辛い、死んだほうがマシかな」と思ったとき、重い障がいをもつ2歳下の弟・息吹いぶきから「死んではいけない」というメッセージを受け取ったと語る。次々と立ちはだかる困難を超えた先に見つけた姉弟の幸せとは。

また、フリーアナウンサーの笠井信輔からコメントが到着。橋本真理子監督による長期取材にも触れながら、目の不自由な人に対して「イメージがいかに貧困か」ということに気付かされたといい、「激しく感動しました」と言葉を寄せた。

・笠井信輔(フリーアナウンサー)コメント
目の不自由な人が、目が見えないことに悩み続けているわけではないという事実に、私たちが障がいをもつ人に対するイメージはいかに貧困かということに気づかされる。橋本監督による25年にわたる取材期間に頭が下がります。激しく感動しました。
(文=リアルサウンド編集部)

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