春はすぐそこ!『旅の手帖』読者が選んだ、行ってみたい&もう一度泊行きたい 花の名所ベスト10

月刊『旅の手帖』で、11号にわたって読者のみなさんに聞いた、お気に入りの場所やものたち。
行ってみたい、もう一度行きたい花の名所のランキングを発表します!

日本の春を象徴する桜も意外と強し!

一面に咲き誇る圧巻の花風景にみなさん、憧れるようです。フジやネモフィラ、チューリップ、ラベンダーといったカラフルな花畑が人気ですが、根強いのは桜。山全体が染まる吉野をはじめ、高遠(たかとお)城址公園や弘前(ひろさき)城、早咲きの河津(かわづ)桜が安定のランクイン。桜だけでなく残雪の朝日岳、チューリップ、菜の花が一気に楽しめる、富山県のあさひ舟川「春の四重奏」が知名度を上げ、アジサイも票を集めましたが、場所が割れました。

【第10位】小清水原生花園(北海道小清水町)

オホーツク海と濤沸(とうふつ)湖に挟まれた砂丘上に形成された天然の花畑。花の咲く時期は臨時駅も開設される。

☆アンケートの声…「列車と花のコラボレーション写真が撮れる」「初めての北海道旅行で訪れた場所だから」

ピークとなる7月中旬には40種以上の花が咲き乱れる。

小清水原生花園

【第9位】河津 (静岡県河津町)

2月上旬から開花が始まる、早咲きの桜。例年2月中旬に行われる河津さくらまつりには、毎年多くの人が集まる。

☆アンケートの声…「まだ寒い時期に春の訪れを感じさせてくれる」「濃いピンクの花を写真に収めたい」

河津川沿いには約850本の桜が咲き誇る。(写真/静岡県観光協会)

●伊豆急行河津駅からすぐ

【第8位】なばなの里 (三重県桑名市)

1万3000坪の花ひろばをはじめ、四季折々の花々が楽しめる。イルミネーションスポットとしても人気。

☆アンケートの声…「季節ごとにいろいろな花が楽しめるし、温泉や買い物も楽しい」「花の絨毯(じゅうたん)を見たい」

春は色とりどりのチューリップと桜のコラボレーションが美しい。(写真/三重フォトギャラリー)

なばなの里

【第7位】尾瀬 (福島県檜枝岐村ほか)

唱歌に歌われた花名所。春から秋にかけて湿原、森林、山の花が楽しめる。ハイキングコースも充実。

☆アンケートの声…「幻想的な風景が飽きない」「歌を口ずさみながら、ミズバショウをゆっくり見てみたい」

ミズバショウのほかにも、ニッコウキスゲやワタスゲなど多種多様な植物が生育する。(写真/観光ぐんま〈https://gunma-.jp〉)

●上越新幹線上毛高原駅からバス1時間40分の尾瀬戸倉下車後、シャトルバス(4月下旬~11月上旬運行)に乗り換え(鳩待峠)

【第6位】高遠城址公園 (長野県伊那市)

高遠藩旧藩士の移植により始まった桜名所。固有種が咲くのが特徴で、ピンク色の雲に覆われる。

☆アンケートの声…「まさに『天下第一の桜』!」「初めて行ったときの感動をもう一度味わいたい」

「タカトオコヒガンザクラ」という固有種は、ソメイヨシノに比べて小ぶりで赤みが強いのが特徴。(写真/伊那市観光協会)

高遠城址公園

【第5位】砺波(となみ)チューリップ公園 (富山県砺波市)

富山県の県花であり、砺波市の市花でもあるチューリップをテーマに、四季折々の花をめでることができる。2021年には新しいチューリップタワーが完成。

☆アンケートの声…「カラフルな花に元気をもらえる」「写真を撮りに行きたい」

300品種、300万本のチューリップが咲き誇る様子は圧巻だ。(写真/砺波市)

砺波チューリップ公園

【第4位】ファーム富田 (北海道中富良野町)

富良野の花風景を代表する場所。香水やソフトクリームなど、鑑賞する以外にもラベンダーの魅力を味わえる。

☆アンケートの声…「ラベンダー畑が雄大で、美しい眺めに癒やされる」「十勝岳の山並みもきれいで北海道らしい」

見頃は7月中~下旬。一面の紫色のグラデーションが見事。(写真/ファーム富田)

ファーム富田

【第3位】国営ひたち海浜公園 (茨城県ひたちなか市)

開園面積約215haの広大な敷地に草原、遊園地、砂丘などを備える都市公園。読者の人気を集めたのは、春に「みはらしの丘」を青色に染めるネモフィラ。「空と花の青を感じてみたい」という人が続出した。同じくみはらしの丘で、秋に紅葉するコキアを挙げる方も。

☆アンケートの声…「ネモフィラが一面に咲く姿に心がなごむ」「コキアの燃え盛るような赤色に感動する」

ネモフィラの和名は瑠璃唐草(るりからくさ)。空と地面の境がわからないほどの青色に包まれる。見頃は4月中旬~5月上旬。
夏は緑色で10月上旬から紅葉するコキア。丸く連なる姿が愛らしい。紅葉の見頃は10月中旬。

国営ひたち海浜公園 住所:茨城県ひたちなか市馬渡大沼605-4/営業時間:9:30~17:00(時期により変動あり)/定休日:火(祝日の場合は翌平日)/アクセス:JR常磐線勝田駅からバス15分の海浜公園西口下車すぐ

【第2位】吉野 (奈良県吉野町)

平安時代には『古今和歌集』に詠まれ、松尾芭蕉も訪れた、日本人に愛され続ける桜名所。読者からも「一度、生で見てみたい」と熱い声が。約3万本の桜が、下千本から奥千本の広範囲にわたり花開くさまが圧巻だ。桜本坊の夢見桜や、竹林院群芳園(ぐんぽうえん)の天人桜などの名桜もあわせて見たい。見頃は4月上~中旬。

☆アンケートの声…「場所によって桜の雰囲気が違うのがいい」「いままで見た桜の中で一番美しかった」「全山桜一色にため息がもれる」

中千本の金峯山寺(きんぶせんじ)蔵王堂から上千本まで、桜色の山を見晴らす花矢倉展望台。
吉野山内では最も古木と伝わる竹林院群芳園の天人桜。
吉野山にはシロヤマザクラなど約200種が咲き誇る。写真は上千本。

●近鉄吉野線吉野駅から車20分(花矢倉展望台)

【第1位】あしかがフラワーパーク (栃木県足利市)

8つのテーマを掲げ、通年楽しめるフラワーパーク。なかでも、読者からダントツの関心が寄せられた「ふじのはな物語」(4月中旬~5月中旬)では、350本以上のフジや大藤棚が見られる。春のやわらかな風情が楽しめる日中はもちろん、ライトアップされた妖艶な姿も美しい。1カ月にわたり、多彩な色のふじの絶景が繰り広げられる。

☆アンケートの声…「満開のフジの花は何度も見ても圧巻」「テレビや雑誌でよく取り上げられるから」「フジの美しさと広がりのある優雅な姿が素晴らしい」「近いのにタイミングが合わず、まだ行けていない」

樹齢約160年の大藤棚。広さ1000㎡の“紫のカーテン”だ。
約80m続く白藤のトンネル。
日本では珍しいきばな藤。

あしかがフラワーパーク 住所:栃木県足利市迫間町607/営業時間:10:00~17:00(時期により変動あり)/定休日:2月の第3水・木/アクセス:JR両毛線あしかがフラワーパーク駅から徒歩3分

文=朝倉由貴、旅の手帖編集部
『旅の手帖』2023年1月号より

© 株式会社交通新聞社