「いっぱい、いっぱいだった」去年から 松山英樹は復調実感のフロリダ連戦

松山英樹はフロリダ州2戦で大きな収穫(撮影/田辺安啓(JJ))

◇米国男子◇ザ・プレーヤーズ選手権 最終日(17日)◇TPCソーグラス ザ・プレーヤーズ・スタジアムコース(フロリダ州)◇7252yd(パー72)

単独5位だった1年前から1つ順位を下げても、松山英樹にはそれを上回る手応えがあった。「いっぱい、いっぱいだった去年に比べたら、多くミスをしながら、こういう感じでいられる。少し状態が上がっているのかなと思います」。通算15アンダーの6位タイ。タフな18ホールで“第5のメジャー”を終えた表情には、わずかでも余裕があった。

直近2年の第5のメジャーは5位、6位(撮影/田辺安啓(JJ))

首位と7打差から出た最終日は前半からアイアン、ウェッジでチャンスを作った。左ラフから5Wでグリーン手前まで運んだ2番(パー5)から2連続バーディ。直後の4ホールで悔しいパーを並べた後、「8番で良いパットが入ってくれた」と10mのスライスラインを読み切って3つ目を奪った。

「17、18(アンダー)くらいで(首位が)止まってくれれば、チャンスはあるかなと思ってやっていた。その後の自分のプレーが思うように残せなかった」と、バックナインはバーディ2つ。13番(パー3)、グリーン奥からパターでの寄せに失敗した後、4mを沈めてパーセーブした。「危なくない状況から、自分で危なくした。ストレスは溜まった」という流れで迎えた14番で、5mのバーディパットを決めてうっ憤を晴らした。

ショットに好感触がある(撮影/田辺安啓(JJ))

5バーディ「67」、本大会で初めて4日間続けて60台を並べた。2月に2シーズンぶりのツアー通算9勝目を飾った「ジェネシス招待」を含め、トップ選手が集結する直近3試合で、タイトル争いが期待できる位置で回り続けた。「『これをやり続ければ、上位にいけるのかな』というのが何となく見つかっている」と、ショットの質に及第点を付けられる。

3年ぶりの優勝を狙う「マスターズ」(ジョージア州オーガスタナショナルGC)まで3週を残すのみとなった。大会前週4月4日(木)開幕の「バレロテキサスオープン」(テキサス州TPCサンアントニオ)を直前の実戦機会にする見込みで、まずは2週のオフを調整期間に充てる。前週の「アーノルド・パーマー招待」で腰に痛みが出たことを考えれば、休息も欠かせない。

マスターズまで残りわずか(撮影/田辺安啓(JJ))

「まずはパッティングをジェネシス(招待)のときくらい、自信持って打てるようにしたい」。おととし、昨年と、大きな故障を抱えたフロリダでの連戦。ことしは期待を膨らませてクリアした。(フロリダ州ポンテベドラビーチ/桂川洋一)

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