ネタニヤフ氏、ラファ攻撃への決意を強調 国際社会の批判はねつけ

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は17日、パレスチナ自治区ガザ地区で進めている軍事行動に関し、ガザ南部ラファを攻撃する決意を改めて示した。各地から避難してきたパレスチナ人約150万人が密集しているラファへの攻撃については、国際的な批判が高まっているが、これをはねつける格好となった。

ネタニヤフ氏はこの日、中東歴訪中のドイツのオラフ・ショルツ首相と会談した。

終了後の共同記者会見で、ショルツ氏はラファへの地上攻撃への反対を表明。今回の会談で、攻撃を実施する前に「人道的な論理」を考慮すべきだとネタニヤフ氏に伝えたと述べた。

これに対しネタニヤフ氏は、「ラファに残っているテロリストの大隊を排除するという(イスラエルの)目標は、民間人の住民がラファから退去できるようにすることと合わせて行われる」と主張。

「住民を閉じ込めた状態で実施するものではない」と付け加えた。

ラファ攻撃の計画は国際社会から激しく批判されている。国連やアメリカも、悲惨な状況を招きかねないと警告している。

しかしネタニヤフ氏は閣議で、「いかなる国際的な圧力も」イスラエルが戦争の目標を達成するのを「止めることはできない」と強調。

「目標が達成される前の今、この戦争をやめれば、イスラエルは戦争に負けたことになる。それは受け入れられない」と述べた。

ネタニヤフ氏はまた、ハマスを排除し、全人質を解放し、ガザを「もはや脅威とならない」ようにするため、イスラエルは戦争を継続しなくてはならないと主張。「そのために、私たちラファでも作戦を実施する」と述べた。

そして、ラファ攻撃は「必ずある」とし、「数週間」かかるだろうとの見方を示した。

ネタニヤフ氏はさらに、同氏を批判する人たちに対して「そんなにも記憶が短いのか」、「あっという間に(昨年10月7日のイスラエル南部への襲撃を)忘れている。ユダヤ人に対するホロコースト以来最悪の大虐殺だというのに」と発言した。

イスラエル軍が住民の移動を計画

ラファでの軍事作戦をめぐっては、ネタニヤフ氏が15日、計画の承認を発表した。また、軍が住民の避難の準備を進めているとした。

イスラエル軍は、避難しているパレスチナ人らを、ガザ中部の「人道的な島」と呼ぶ場所に移動させる計画があると明らかにした。その「島」がどのようなもので、どう運営されるのかは不明だ。

ラファの住民を移動させるには時間と兵力が必要となる。しかしイスラエル軍は、戦闘と支援物資の分配ですでに手一杯の状態だ。

この計画を実行するには、ガザの荒れ地で安全な場所を見つけ、食料と水の提供を確保する必要がある。そのため、ラファ攻撃は実施されるとしても、まだ先のことになる可能性がある。

(英語記事 Israel-Gaza war: Netanyahu vows to defy allies on Rafah invasion

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