アイスランド南部レイキャネス半島で16日夜、火山が噴火し、非常事態が宣言された。噴火は昨年12月以降4度目。
アイスランド気象庁(IMO)によると、噴火は現地時間16日午後8時23分に起きた。発生場所はグリンダヴィーク町の北で、昨年12月8日に始まった噴火の場所に近い。
現場映像では、地表に開いた穴から光る溶岩があふれだし、煙が立ち上る様子が見える。
この噴火によって、強力で速度のある溶岩流が16日夜に始まった。17日朝からは「ゆっくりと着実に」流れているという。
溶岩は、グリンダヴィーク東部の防衛線に到達した。グリンダヴィーク町の住民は、ほとんどが避難している。
IMOは、溶岩がこの地域の水道管から200メートルまで迫ったとした。
水道管は、半島の大半に湯を提供するスヴァルスエインギ地熱発電所の近くを走る。
アイスランドの公共放送(RUV)は、IMOトップによる説明として、アルカリ性の溶岩が南下して「海水と接触すると、塩素ガスが発生する恐れがある」と伝えた。
また、溶岩が海水との接触で不安定になった場合、「小規模な爆発」が起こる恐れもあると伝えた。
当初は3キロに及んだ亀裂の周辺での活動は、緩和している。
アイスランド緊急事態管理・国民保護庁のヴィディル・レイニソン長官は、溶岩流に備えて可能な対応はとったものの、インフラへの影響が最も懸念されると話した。
グリンダヴィークの北西にある国際空港は、今のところ影響を受けていない。
グリンダヴィークの住民約4000人は、今年1月半ばに溶岩流が町に到達して以来、ようやく2月半ばに帰還が認められたばかりだが、ほとんどの人は戻っていない。