『踊る大捜査線』12年ぶり新作は室井慎次が主役 “踊るプロジェクト”は他にも続く?

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2013年9月の投稿を最後に長らく稼働していなかった『踊る大捜査線』の公式X(旧Twitter)が3月17日、突如意味深な“カウントダウン”画像を投下。その画像が示す24時間後の3月18日21時に、新作映画のティザー映像が公開された。

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#踊るプロジェクト 再始動https://t.co/J2eL5PfHEY

#室井慎次
2024AUTUMN
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— ”踊るプロジェクト”映画最新作 公式 (@odoru_movief) March 18, 2024

12年ぶりとなる新作のタイトルは未発表だが、Xには「#踊るプロジェクト再始動」「#室井慎次」のハッシュタグとともに「2024AUTUMN」の文字が。公開時期は、2024年秋を予定しているようだ。

”踊るプロジェクト”映画最新作 <スーパーティザー映像>
公開されたティザー映像は、TVシリーズ第1シーズンの名場面からスタート。現場主義の刑事・青島俊作(織田裕二)が、本庁の室井慎次(柳葉敏郎)に「あんたは上にいろ! 俺には俺の仕事がある。あんたにはあんたの仕事がある」と語りかける場面に続き、「あの約束から27年」というテロップが登場。歴代の室井の名シーンが次々に切り替わり、最後には現在の室井と思われる姿とともに「あなたはまだ、室井慎次の全てを知らない」というコピーが映し出された。

新作では室井が主人公になるようだが、一体どんなストーリーが展開されるのか。ライターの杉本穂高氏は、「2005年に公開された『容疑者 室井慎次』のようなスピンオフ映画になるのでは」と予想する。

「ティザー映像に『組織などそう簡単に変わるものではない』というセリフが登場することから、おそらく『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』(2012年)のその後が描かれるのではないでしょうか。『THE FINAL』のラストで室井は、警察組織の抜本的な改革に踏み出しました。しかし、結果的にそれは思うようにいかず、新作でもまた内部から組織の腐敗と向き合っていくことになると思われます」

『踊る大捜査線』といえば、青島や室井以外にも、深津絵里演じる恩田すみれや、スピンオフ映画『交渉人 真下正義』も作られた真下正義(ユースケ・サンタマリア)など、人気キャラクターが多い。新作にはどの程度おなじみのキャラクターが登場するのだろうか。

杉本氏は、「青島とすみれは『容疑者 室井慎次』にも登場していなかったので、2人が登場する可能性は低い」としながら、以下のように語った。

「八嶋智人さん演じる弁護士の灰島秀樹や、筧利夫さん演じる新城賢太郎が登場する可能性はあると思います。また、12年ぶりの新作が室井のスピンオフだけで終わるとは考えづらい。『踊る大捜査線』の公式Xに「“踊るプロジェクト”再始動」と書かれていることからも、青島が主役の新作も含めたさらなる展開が用意されていると期待していいのではないでしょうか」

また、新作の発表を受けて、SNS上では「すみれさんも帰ってくるかな」「すみれさんは生きてるの?」とすみれの安否を気にする声も上がっている。

「深津絵里さん演じるすみれは、『THE FINAL』で青島を助けるためにバスで倉庫に突っ込みました。その後、バスから出てきたすみれが半透明になっていたり、青島に抱きとめられた後、登場シーンがなかったりしたことから、結局すみれは生きているのか死んでいるのか、当時から議論になりました。ファンにしてみれば、新作で決着をつけてほしいと思う気持ちは強いはずです」

さらに最近、奇しくも往年の刑事ドラマのキャストが再集結して新作が作られるケースが続いている。5月には『あぶない刑事』シリーズの8年ぶりとなる新作『帰ってきた あぶない刑事』が公開予定。同作では、タカ(舘ひろし)とユージ(柴田恭兵)のどちらかの“娘かもしれない女性”として、土屋太鳳の出演も発表されている。

杉本氏は「新作を作るにあたって、ゲストや新たなレギュラーとして、旬の若手俳優が起用される可能性も考えられます」と語る。

昭和39年(1964年)生まれの室井は、現実と同じように作中時間が流れているとすると、今年で60歳。いよいよ定年も近いが、青島との“約束”を果たし、本庁の改革を成し遂げることはできるのか。早くも新作の公開が待ち遠しい。
(文=花沢香里奈)

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