豊後大野市藤居醸造の麦焼酎、全日空の国際線で提供 「世界の人に飲んでもらえる」【大分県】

「小さな蔵の焼酎を世界の人に味わってもらいたい」と話す藤居淳一郎社長(右)と武下豊支店長=豊後大野市千歳町新殿の藤居醸造

 【豊後大野】豊後大野市千歳町新殿の酒造会社「藤居醸造」(藤居淳一郎社長)の手がけた麦焼酎が今月初めから、全日空の全ての国際線(約50路線)のビジネスクラスで提供されている。常圧蒸留で造った本格麦焼酎「特蒸泰明(とくじょうたいめい)」。同社は「大分が誇る麦焼酎を世界の人に飲んでもらえる」と喜んでいる。

 全日空が機内などで出す日本酒、焼酎のラインアップを刷新することを知った関係者が推薦し、味覚審査などを経て選ばれた。麦の香りが強く、さっぱりとした味わい。唐揚げや焼き鳥をはじめ、さまざまな料理に合うという。

 提供されるのは今年と来年のそれぞれ3~8月で、この期間、ビジネスクラスで用意する麦焼酎は特蒸泰明のみ。乗客はロックや水割り、炭酸割りなどで何杯でも無料で飲むことができる。

 12日に全日空大分支店の武下豊支店長(49)が同社を訪問し、「新型コロナウイルス禍が落ち着き、これから乗客がさらに増えていくと見込まれる。地方創生につながれば」とあいさつした。

 同社の麦焼酎は、昨年度の「第2回酒屋が選ぶ焼酎大賞」で大賞と優秀賞を獲得するなど全国にファンが多い。藤居社長(55)は「全日空の翼を借りて小さな蔵の商品を世界の人に届けられる。飲み応えある焼酎をいろいろな国の人に味わってもらいたい」と話している。

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