「金」へ再挑戦!ワタガシ...結果残し続けた ホキコバは初切符

渡辺勇大(左上)東野有紗(右上)保木卓朗(左下)小林優吾(右下)

 中学、高校の6年間を本県で過ごした選手たちがパリへの切符を手中にした。バドミントンでパリ五輪出場を確実にした混合ダブルスの渡辺勇大、東野有紗組(BIPROGY)と男子ダブルスの保木卓朗、小林優吾組(トナミ運輸)。ともに富岡中、富岡高時代にペアとなった2組が「夢舞台」への思いを胸に代表選考レースを勝ち抜いた。

 「最も輝く色のメダルを取りたい」。"ワタガシ"こと渡辺勇大と東野有紗の2人にとっては、その目標が、パリ五輪選考レースに臨む原動力になった。

 2021年の東京五輪で3位となり、バドミントンでは日本勢唯一のメダルを獲得したが、その裏には感じたことのない重圧があったという。「五輪という舞台を初めて経験して、今までにないプレッシャーを感じた。東野とは『楽しんでプレーしよう』と話していたが、コートに入ると全く楽しめる雰囲気ではなかった」と渡辺。初の夢舞台は、より成長する必要性を感じた場所でもあった。

 渡辺は22年には活動に幅が利くプロ選手契約に変更。東野も「パリで東京五輪の雪辱を果たす」という思いを胸に刻んだ。昨年5月から始まった選考大会では「先を見ずに一つずつ丁寧に戦い抜く」との思いを共有しながら結果を残し続け、今月17日に終わった全英オープンでも2位となり、五輪出場を確実にした。

 昨年12月には「自分たちらしく楽しんでプレーしたい。その先に金メダルが見えてくる」とパリでの姿を思い描いていた2人。4年越しの大舞台に向けて、気持ちは高まっている。

 「東京」糧に成長遂げる

 富岡高1年秋にペアとなった男子ダブルスの保木卓朗と小林優吾の"ホキコバ"組は東京五輪出場を逃し成長を遂げた。「自分たちが日本を引っ張る」としてパリ選考大会を戦った。

 東京五輪の代表選考レース中の2019年に世界選手権で2位となったが、その後に成績を落とし代表入りを逃した。東京大会を終えた21年12月の世界選手権で男子ダブルスとして日本勢初優勝、22年9月には世界ランク1位になった。

 パリ選考大会では好不調の波もあったが、今月の全英オープンで初の4強入りなど五輪切符を近づけた。

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