「吉村芳生展」長崎県美術館で - 細密な“鉛筆画”約500点、色鉛筆で描いた10m越えの巨大絵画も

展覧会「超絶技巧の鉛筆画 吉村芳生展」が、2024年3月22日(金)から5月12日(日)まで、長崎美術館にて開催される。

精緻な鉛筆画を手掛けた吉村芳生の大回顧展

吉村芳生(よしむらよしお)は、鉛筆による細密な描写で知られる日本人画家だ。2013年に63歳で急逝した吉村の大回顧展となる「超絶技巧の鉛筆画 吉村芳生展」では、初期のモノクロ作品から、色鉛筆で描かれた鮮やかな花々まで、約500点にものぼる作品を展示。吉村の圧倒的な描写力に迫る展覧会となっている。

機械的な技法と卓越した画力

版画や鉛筆でのドローイングが中心だった初期の作品では、より細かで機械的な吉村の描写を目にすることができる。たとえば《ジーンズ》は、2.5mm四方のマス目にひたすら斜線を引いて濃淡を表現する、驚きの技法によって描かれた。マス目には0から9までの数字が記入され、“4は斜線5本”など明確なルールに基づいて静物を写生している。

また、活字の1文字1文字をすべて手描きで写しとった“新聞”に、自身の“自画像”を重ねた「新聞と自画像」シリーズにも注目。実物の新聞の上に自画像を描いたのではないかと疑うほど精密にコピーされた新聞と共に、吉村の様々な自画像を見ることができる。自画像の表情は、その紙面を見たときの実際の吉村の表情となっているそうだ。

色鉛筆を用いた晩年の作品も

会場では、晩年の吉村が手掛けた、カラフルで巨大な作品も公開。色鉛筆で菜の花を描いた《未知なる世界からの視点》は、全長約10mの圧倒的な存在感を放つ。実際の情景とは天地を反転させて描いているのが特徴で、上下を逆さにすることで、虚構と現実、日常と非日常が入れ替わる様子を表現している。

展覧会概要

「超絶技巧の鉛筆画 吉村芳生展」
会期:2024年3月22日(金)~5月12日(日)
会場:長崎県美術館 企画展示室
開館時間:10:00~20:00(最終入場 19:30)
休館日:4月8日(月)、4月22日(月)
観覧料:
・一般(大学生以上) 前売券 (全日) 1,100円、当日券(平日) 1,200円 、当日券 (土日祝日) 1,300円
・小中高生 前売券(全日) 500円、当日券(平日) 600円、当日券 (土日祝日) 700円
※小学生未満無料
※本展観覧券でコレクション展にも入場可
※15名羽状の団体と身体障害者手帳等掲示者、および付添者1名は前売料金
※詳しくは長崎県美術館のホームページを確認
前売券販売期間:2月9日(金)~3月21日(木)
前売券販売所:ローソンチケット・ローソン各店(L コード: 81993)、紀伊國屋書店長崎店、メトロ書店本店、好文堂書店、くさの書店チトセピア店、ララコープ各店(一部店舗除く)、長崎新聞社(本社文化ホール、佐世保支社)、長崎県美術館

【問い合わせ先】
長崎県美術館
TEL:095-833-2110

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