松田凌, 橋本祥平, 有澤樟太郎 etc 能×舞踊の青春活劇「舞倒れ」公開目前レポ

能と舞踊を融合した舞いでそれぞれの思いをぶつけ合う若者たちの青春群像活劇「舞倒れ」もうすぐ公開。

この舞台は、芸能事務所のキャストコーポレーションと舞台制作を主とするOfficeENDLESSにより企画・制作された、佐渡ヶ島を舞台とした作品。この島に伝わる言葉「舞倒れ」とは、能にのめりこみ過ぎて身上を潰すこと。

舞いにすべてを捧げ、情熱を燃やす主人公・吾潟(あがた)役にミュージカル「薄桜鬼」や映画「仁義なき幕末」などで知られる松田凌、吾潟の弟弟子・下戸(おりと)役に舞台「機動戦士ガンダム00」や映画「文豪ストレイドッグス BEAST」の, 橋本祥平、吾潟と下戸の兄弟子・硲(はざま)役にミュージカル「のだめカンタービレ」や「ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド」の, 有澤樟太郎が扮する。
監督はアメリカ・ベルギーに出自を持ち、独自の感性により作品を作り上げる横大路伸、脚本は様々な舞台作品のプロ デュースを行う下浦貴敬が担当。作中の重要なファクターとなる“舞い”の振り付けは、劇団四季の「アイーダ」のオリジナル キャストや、「ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル」のダンスキャプテンとして活躍し、コンテンポラリーダンスを得意とす る宮河愛一郎が独自の世界観・解釈による“舞い”を作り上げた。

映画公開に先駆けて先行上映会が行われた。

物語、時代は昭和九九年、ファンタジックでもあり、リアルでもあり、そしてノスタルジックでもある。とにかく佐渡の風景が美しい。日本は大国と戦争状態だったが、佐渡島は離島ゆえ、戦火に巻き込まれず、独特の空気感、文化が育まれていた。島独特の能文化、舞のシーンが何度か流れるが、これが独創的な舞。

仲の良い3人、次代当主の硲(はざま)(有澤樟太郎)、弟弟子の吾潟(あがた)(松田凌)と下戸(おりと)(橋本祥平)、だが、それは長くは続かなかった。”ある一つの便り”から始まった。

登場人物たちのそれぞれの想いが噴出、鍍金流へのリスペクト、それを軸に展開、後半のアクションシーン(長回し!)と吾潟と下戸の舞い踊る場面は映画のハイライトシーンとなっている。また、ハードな場面ばかりではなく、ちょっと笑える場面も。

お好み焼きを仲間同士で食べるのだが、青のりの量が半端なく!客席から笑いが起こる。仲間達も賑やかで、ファッションが!

懐かしい”昭和”、昭和九九年、”昭和”なので!九九年なのでスマホもある!青春の痛み、輝き、そして後悔。だが、そこに煌めきがある、佐渡島の風景とともに。

上映会前に簡単な会見が行われた。登壇したのは松田凌、橋本祥平、有澤樟太郎、川添野愛、田村一行、黒沢あすか。撮影は昨年の8月に行われたそう。皆、この先行上映会を楽しみにしていたとのこと。

ーー自己紹介と、今日の日を迎えた心境

松田:吾潟(あがた) 役を演じました松田凌です。ついに公開に向かって今日を皮切りに走り出せて、とても緊張もありながらも楽しみにしております。本日はよろしくお願いします。
橋本:下戸(おりと) 役演じました橋本祥平です。撮影が去年の8月で、そこから時間がたち、いよいよ皆様に見ていただけると思うと本当にうれしい気持ちでいっぱいです。この作品を見て、皆様にどう映っているのか感想をとても楽しみにしています。本日はよろしくお願いします。

有澤:硲(はざま) 役を演じました有澤樟太郎です。事務所として何かずっとやりたいという話を何年も前からしていたので、映画という形で実現できてとてもうれしく思ってます。僕としてはすごく馴染みのある先輩方と本当に濃い時間を過ごさせていただいて、皆さんにそれが届くことをすごく楽しみにしております。ぜひ見守ってください。よろしくお願いします。

川添:歌見(うたみ) 役を演じました川添野愛です。舞台挨拶という形で、撮影から時間がたってキャストの皆さんにお会いできてすごくうれしい気持ちもあり、今日上映を迎えるということでドキドキする気持ちもありました。今日はよろしくお願いします。

田村:千種(ちぐさ) 役を演じました田村一行です。8月に撮影しまして戻ってこれることができ、とても嬉しくて上映を楽しみにしております。今日はよろしくお願いします。

黒沢:願(ねがい) 役を演じました黒沢あすかです。佐渡島を舞台に若い命が躍動しております。どうぞこの作品をご堪能していただければと思っております。本日はよろしくお願いいたします。

ーー初めて台本を読んだ時の印象

松田:率直に難解だなと思いました。舞、時代背景、特殊な設定といったものを我々がどうやって表現していくのか、そしてそこにどういったドラマが築いていくのかというのは初見では想像しづらかったけど、実際撮影に入って、いろいろな人や壮大なロケーションを重ねていくにつれ、場所や人や時間がこの作品をつくってくれていて台本では読み解けないものは、初めて台本を読んだ自分が拙かったなと感じて少し悔しく思いました。

橋本:凌くんがおしゃったとおり、ハードルの高い物語だと思いました。舞というものを題材にしてやったことがなかったので撮影期間までに、どのくらい近づけることができるのかいろいろな課題はありましたが色んな支えがあって無事に撮影を終えることができて嬉しく思います。僕らは家族なんですけど血がつながってない兄弟で、繋げてくれているのは舞であって、でも舞のせいで離れたりして、いろんな舞の顔があるなという印象を受けました。

有澤:伝統芸能という舞をやらせていただくということで、重圧やプレッシャーを感じたけど、最後まで見ていると青春だなと感じました。皆さんにも近いという形で共感していただけるのではないかと思っております。

川添:『舞倒れ』というくらいのタイトルなので、舞がたくさん出てきますが、能の歌詞も台本に書いてあって読んで、能とかは難しいなという印象があるんですけど意外と意味をたどっていくと、結構現実的なところもあって、そこが面白さだなと思っています。その能の部分とこの映画の世界観が、本当にありそうで、ちょっと幻想的という絶妙なバランスが能の面白さとマッチしている気がして、おしゃれなことするなと思いました。

田村:現代とは少し違う世界でありながら、実は今にでもそっちの世界に行ってしまうのではないかという危うさを身近に感じるパラレルワールドで、そんな中で生きていく踊りや表現が検証されているという段階で、僕にとっては救いであり、起きたとしてもこういった芸術というのは、この世に残っていってほしいなと思いました。

黒沢:初めて台本を読んだときは粗削りの状態だったので、日本海の波のように荒ぶる作品だと思いました。そこには若者の命、私たち夫婦(願と千種)が鍍金流(ときんりゅう)を継承し守っていくなかで、若い子たちが後をついてくれる中で命の繋がりと伝統の繋がりを継承していくことに感動しました。そんな中で自分はあまり多くはセリフがあったわけではありません。でも、だからこそ今、50という歳を迎えた私にはぴったりな挑戦的な役を頂けたなと思い、感謝しております。皆さんにいち早く見ていただいて楽しんでいただきたいなという思いでいます。

ーー昨年の8月に本作の撮影が行われたが、当時の思い出や印象に残っていること

松田:ありふれた言葉になるけど暑かったです。ただ、有澤くん演じる硲が決意を固めるシーンでは一筋の汗が出てきたりとか、暑さも演技の助けになってくれたなということもありつつも、撮影期間を通して敵にもなり、味方にもなり自然の力を感じました。

田村:僕は海を見るのは好きだけど、入るのは怖いほうなんですね。ただ始まれば全然大丈夫なんですけど、撮影場所まで歩いていくときに日暮れの佐渡島の景色を一瞬でも独り占めできたのは本当に贅沢な時間だなと思いつつ、海に向かっていくときは少しドキドキしました。

ーーほかの出演者の方で、いつも舞台で見る姿とは違った点

橋本:脚本家さんを含め皆さん知った方の仲なので、最初はあてがきのような近しい役いただけるのかなと思っていましたが、有澤くんが長男の役を演じたりと、知らない一面をたくさん見れました。

ーーこれからご覧になる方へ、この映画の見どころを一つ

松田:いろんな力によって、この作品は作られたなと思っていて、まずは「人」を見てほしい。それはお芝居も衣裳も時代も、隣にあるようだけど少し違った違和感を衣裳やメイクに乗せていただいているところも見てほしいです。でもやはり「舞」も見てほしい。

橋本:凌くんの「人」「舞」ときたら「自然」ですね。こんなに気持ちのいいところでお芝居できるのはすごく贅沢だなと思っていて、日の入りから日没まで、普段東京で活動しているから、よりゆっくり時間が流れているような気がして、どのシーンも絵になるようなロケーションでした。なので僕らのお芝居も含めて堪能してほしいです。

有澤:凌さんが「人」ときて、祥平さんが「自然」ときて、僕も「人」です。見どころは「人」です。本当に事務所としても思いが詰まった作品で、何か一つ形になるようなものをやりたいという中で映画という形で、佐渡島というロケ地を選んでいただいて、素晴らしいですし、なにか見えない力が助けてくれるシーンもたくさんあって、僕個人としては、振付として入っている愛一郎さんは中止になってしまった作品でも縁があったので、そういった点でも事務所の思いであったり、いろんな思いが詰まった作品なので、是非そこは心に置いてくれたら嬉しいなと思います。

川添:皆さんがしゃべりすぎてもうないかもしれません。冗談なんですが、でもこれくらい喋りたくなるくらい思いが詰まっっているので見ていただければわかるのかなと思っていて、特に上映前にここだというのはいい意味で言わなくていいのかなと思います。でも、このかっこいいタイトルだったり、舞というものだったりちょっと肩肘張りそうですけど、リラックスして自然をはじめ、皆さんがおっしゃっている魅力を存分に楽しんでいただければと思います。

田村:嘘みたいな風景だなと思うほど脳裏に焼き付いている景色とか佐渡島の歴史背景がこの作品を本物と思わせる要素になっていると感じていて、是非その大自然の中での皆さんの演技を堪能していただきたい。

黒沢:佐渡島という大自然の中で、吾潟、下戸、硲の三人がどんな核をもって生き抜いてきたのか、3人それぞれの行き様が見れると思います。それぞれに焦点を当ててもいいし、3人まとめて兄妹のように見てもいいし、その3人を自分に投影してもいいし、どうやってこれから自分は生きていこうかななど思いを繋げていけたらいいなと思います。皆さんの感想をお待ちしています。

ーーキャストコーポレーションが事務所をあげての作品とのことですが、この作品を通して仲良くなれましたか

松田:いいえです。しかしそれは撮影期間の短さであったり、シーンの重なりの関係上、より深くという形はなかったが、初めてご一緒する方もいて、俳優として好きになれたという点では「はい」なのかもしれません。なので、実際に交流があったかというと「いいえ」ですが、僕の心の中では「はい」です。

ーー撮影中のエピソードをもう少し

有澤:最初に取ったシーンが吾潟、下戸、硲の3人だったんですけど、そこで川沿いを歩きながら話すシーンで、なぜか3人とも同じ場所でこけて川に落下してしまうということがありまして、自然の力なのか、空気がきゅっとなりながらも和気あいあいとした雰囲気にもなって、とても印象的でした。島の方たちも本当にやさしくて、お団子をくれたり電力気にせずクーラーをつけてくれたり、帰るころには本当に大好きになっていました。

松田:僕もチーム吾潟でご飯にいったときに、焼肉を食べに行ったんですけど、有澤くんめっちゃ食べるんですよ。僕はスピンオフで『食い倒れ』っていうのを狙っています。ロケ地は大阪です。

ーーこの作品を楽しみにしている方々へ 主演の松田さんからメッセージ

松田:本日からこの『舞倒れ』という作品が皆様のもとに送られていくということで、とても嬉しいなという気持ちのもと、本当に映画を世の中に生み出すというのは、こんなにもいろんな人の力があるということを、重複はしてしまうのですが、感じました。そして舞倒れというタイトル通り、自分も吾潟のように葛藤もあれ苦悩もあるけれども、そんなことを忘れるくらい無我夢中にこの瞬間を生きなければと思いながら撮影させていただきました。そういった中で皆様とお芝居することができて、その瞬間を生きることができたなと思い、そういったきらめきを皆様に感じていただき、できるだけ多くの方に届けることができたらなと思います。本日はよろしくお願いいたします。

上映会の前の舞台挨拶は松田凌、橋本祥平、有澤樟太郎、川添野愛、田村一行、黒沢あすか、そして横大路伸監督。

松田凌「余白がある作品、心を使って表現、やりがいがありました」

橋本祥平「現代でありながらファンタジー、楽しみとドキドキと」

有澤樟太郎「ファンタジーとリアルがいい塩梅で。台本を読んで膨らんで行きました」

川添野愛「佐渡島、昭和九九年、”あったかもしれない”ワクワク、ドキドキ」

田村一行「今よりし少し違う…でもこういう未来もあるかもしれない。歴史はいろんなものに吸収されます、共感できる素晴らしい世界」

黒沢あすか「日本海の荒波、『ざぶーーん』(オファーの)声かけられて嬉しかった」

またMCより撮影時のことを聞かれて橋本祥平は「3人で飯、行きましたね。(色々と)話したいのに(お店の)常連さんが絡んできた(笑。客席からも笑いが)」また、松田凌は「今まで見たことのない星空を見た!」満天の星空だった様子(見たい!)。

横大路伸監督からは「登場人物たちの想いが凝縮されています」とコメント。内に秘めた熱い想い、それが元で衝突もしたりする、共感もでき、なおかつ見てる側も熱くなれる。とにかく景色が圧巻でドローンで空撮もあり、海や島の緑、海岸、全てが”絶景”。黒沢あすかは「三人(松田凌、橋本祥平、有澤樟太郎)の魅力を」、田村一行は「少し不思議な世界、素晴らしいロケーションです」、川添野愛は「佐渡の魅力、登場人物が愛おしいです」と言い、有澤樟太郎は「振り切った映画、(撮影期間)ずっと晴れてた、僕、晴れ男(笑)、映像はさらに綺麗」、橋本祥平は「できること、全てを出し切った」、松田凌は「今日、初めてのお客様、心臓が高なってます!この瞬間が嬉しい」とコメントした。

上映会終了後はトーク。映画の撮影、特に外での撮影は天候に左右されやすい。また、絶好のタイミングで撮影するためにかなりの早朝になることもある。橋本祥平は「朝がめちゃめちゃ早かった!」と振り返る。松田凌は撮影の空き時間を惜しんで「空き時間は舞の稽古」と語る。かなり長く舞うシーンも。また、お好み焼きのシーンでは青のりが!ここは必見(笑)。またアクションシーン、この日は「めちゃめちゃ暑かった!」しかも砂浜!さらに砂浜で舞うシーンもあり、かなり足腰に。だが、「力のあるシーンに」と松田凌。
最後にPR。

横大路伸監督「見ていただくことは嬉しい。ここからたくさんの人に見ていただけるように」

黒沢あすか「皆さんの情熱、『舞倒れ』多くの方に」

田村一行「まだまだ続きます。違う角度から楽しんで」

川添野愛「すごく嬉しいです」

有澤樟太郎「”和”だなと。お芝居の瞬間が楽しかった」

橋本祥平「形になって嬉しい。広めてください!」

松田凌「ここからスタート。一人でも多くの方に。様々な感想をいろんな方々からいただきたいです」

アフタートーク終了後は特別に舞が披露された。

あらすじ
昭和九九年。佐渡ヶ島。
日本は大国との戦争の渦中にあるが、
日本最大の離島である佐渡ヶ島は戦火に巻き込まれることなく、
外部からもたらされる限られた情報と島内の伝統が混ざり合い、
独自の文化が発展を遂げていた。

島の能文化の象徴である流派、鍍金流(ときんりゅう)。
次代当主の硲(はざま)、弟弟子の吾潟(あがた)と下戸(おりと)三人は
家元の千種(ちぐさ)とその妻、願(ねがい)や歌見(うたみ)らと
慎ましいながらも静かな時を過ごしていた。

が、一つの便りがその未来に影を落とすー

概要
映画「舞倒れ」
2024年3月公開予定
監督:横大路伸
脚本:下浦貴敬
出演
松田凌、橋本祥平、有澤樟太郎、川添野愛、田村一行、黒沢あすか、新田健太、榎本純、秋山皓郎、菊池宇晃、相澤莉多、滝川広大、伊崎龍次郎、深澤大河、本西彩希帆 他
主催:Office ENDLESS
共催:こくみん共済 coop 〈全労済〉
問合:Office ENDLESS info@officeendless.com

公式サイト:https://officeendless.com/sp/movie_maidaore/

(c)映画「舞倒れ」制作委員会

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