神奈川県警の白バイ隊員から警告…「恐怖感じた」男性が慰謝料請求、県は15万円で和解へ

(資料写真)

 神奈川県は21日、県警白バイ隊員の交通違反取り締まり時の対応を巡る慰謝料請求訴訟に関し、東京高裁の勧告に基づき相手方の男性に15万円を支払って和解する議案を県議会第1回定例会に追加提出した。

 県警によると、2022年10月4日午後0時55分ごろ、横浜市磯子区の国道357号で、第1交通機動隊白バイ隊員の巡査長(当時)が速度違反の車両を発見。追跡のため車線変更した際、後続のオートバイの男性からクラクションを鳴らされるなどした。巡査長は路肩で停止後、男性に対して「公務執行妨害になる」との趣旨の警告を行った。

 男性は23年1月、巡査長の行為は脅迫や職権乱用に当たり「逮捕されるのではないかとの恐怖を感じた。不眠症になり、日常生活に支障を来している」などと主張して20万円の慰謝料を求めて県を提訴。横浜地裁は同11月に、巡査長の行為に「国家賠償法上の違法は認められない」として請求を棄却した。男性は控訴し、東京高裁で審理が続いていたが、高裁は今年2月、国賠法上の違法が認められる旨の見解を示し、和解を勧告していた。  

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