地震で被災の文化財、緊急保護修復進む 中国青海省・喇家遺跡

地震で被災の文化財、緊急保護修復進む 中国青海省・喇家遺跡

青海省海東市民和回族トゥ族自治県の喇家遺跡博物館。(1月24日撮影、西寧=新華社記者/呂雪莉)

 【新華社西寧3月21日】中国青海省東部、黄河河岸の官亭盆地にある喇家(らつか)遺跡は、先史時代の地震や土石流、洪水などの痕跡を残す中国で唯一の災害遺跡で「東洋のポンペイ」と呼ばれる。1980年代に始まった発掘調査では、大型の玉刀や石製打楽器「黄河磬王(こうがけいおう)」、4千年前の「世界最古の麺」などが出土し注目を集めた。 

地震で被災の文化財、緊急保護修復進む 中国青海省・喇家遺跡

修復された喇家遺跡の土器。(2月5日撮影、西寧=新華社記者/呂雪莉)

 2023年12月18日深夜に甘粛、青海両省の境界域で起きたマグニチュード6.2の地震は同遺跡にも影響を及ぼした。青海省文化・観光庁は直ちに文化財・博物館部門を動員。被害状況の調査や緊急保護作業に全力を挙げた。

地震で被災の文化財、緊急保護修復進む 中国青海省・喇家遺跡

文化財を修復する青海省文物考古研究院の職員。(2月5日撮影、西寧=新華社記者/呂雪莉)

  同庁博物館・社会文物処の張磊(ちょう・らい)処長によると、被害を受けた彩陶(彩色土器)68点は点検後に展示から外し、梱包して移送。青海省博物館が作成した保護修復プランを専門家が審査、承認し、現在は同博物館と青海省文物考古研究院が共同で修復作業を行っている。

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修復を終えた土器を検査する青海省博物館の職員。(2月6日撮影、西寧=新華社記者/呂雪莉)

 同研究院出土文物保護部の高志偉(こう・しい)文博研究館員は、文化財の被害状況を踏まえ、病害調査に基づく対処措置を取った後に1点ごとの修復プランを作成したと説明。修復過程の記録も残すという。

地震で被災の文化財、緊急保護修復進む 中国青海省・喇家遺跡

喇家遺跡に立つモニュメント。(1月24日撮影、西寧=新華社記者/呂雪莉)

 これまでに修復した彩色陶器は青海省文物考古研究院で8点、青海省博物館で9点。作業は現在も急ピッチで進められており、8月か9月には全ての修復が終わるという。(記者/呂雪莉、李琳海)

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修復を終えた喇家遺跡の土器。(2月5日撮影、西寧=新華社記者/呂雪莉)

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