『ジャック・リヴェット傑作選 2024』開催へ 『地に堕ちた愛』『彼女たちの舞台』など上映

『ジャック・リヴェット傑作選 2024』が、4月19日よりヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて開催されることが決定した。

ジャン=リュック・ゴダールやフランソワ・トリュフォーらと並んでヌーヴェルヴァーグの中心的人物であり、1991年には『美しき諍い女』で第44回カンヌ国際映画祭審査員グランプリを受賞、80歳を過ぎても精力的に活動を続けていたリヴェット。2022年に開催された『ジャック・リヴェット映画祭』に続き、『地に堕ちた愛 完全版』『彼女たちの舞台』『パリでかくれんぼ 完全版』が、4Kデジタルリマスターによる修復版で公開される。

『地に堕ちた愛』は、2023年にこの世を去ったジェーン・バーキンと、チャールズ・チャップリンの子女でヨーロッパ、ハリウッド作品にも多く出演するジェラルディン・チャップリンが主演を務めた心理劇。

日本で初めて公開されたリヴェット作品である『彼女たちの舞台』は、とある演劇学校に通う女性たちが巻き込まれる事件を描いたもので、現実と虚構が溶け合うミステリーであり、青春映画としての一面も持つ。

3人の女性がパリを舞台に冒険に繰り出すミュージカル『パリでかくれんぼ』では、ゴダール作品をはじめ、ヌーヴェルヴァーグのミューズとして活躍したアンナ・カリーナが友情出演し、歌声を披露している。

そのほか、『ジャック・リヴェット映画祭』で上映されたファンタジー映画『デュエル』と『セリーヌとジュリーは舟でゆく』もアンコール上映される。

中条省平(フランス文学者、学習院大学教授)コメント
ジャック・リヴェットこそヌーヴェル・ヴァーグの発火点だ、とトリュフォーは言った。リヴェットは自分の長編第1作を『パリはわれらのもの』と名づけた。リヴェットのパリは、ヌーヴェル・ヴァーグで唯一の神秘都市だ。華やかな風景で観客の目を奪うが、その外見の下に、幻想世界の淵が開く。主な登場人物は、パリをさまよう美しい妖精のような娘たち。彼女らは、神秘都市の舞台で、細く敏捷な体に、目も絢な衣装をつけて、自分という役を探求する役者なのだ。だが、パリではいつも怪しい陰謀が舞台を包みこむ。彼女らは、仲間と手を組んで、その陰謀の謎を解こうと奔走する。こうして、リヴェットの映画は予想もつかない冒険ミステリーとなる。『地に堕ちた愛』の異界に通じる館、『彼女たちの舞台』の閃光のような列車、『パリでかくれんぼ』の突然階段で踊りだす娘たち……。あらゆる細部が、純粋な映画の快楽で私たちを魅了する。
(文=リアルサウンド編集部)

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