PayPayほけんがペット保険に参入、月額490円から加入できる格安プランのポイントは?

PayPay保険サービス株式会社は2024年3月21日にPayPayから加入できるペット保険「これだけペット」の提供を開始しました。最大の特徴は月額490円からという低価格のプランです。仕組みやポイントをチェックしてきましょう。

2024年3月21日に開催されたPayPayほけん新商品発表会の様子

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【PayPayほけんのペット保険】保険業界でも珍しい成長市場

保険業界の市場は横ばいもしくは縮小傾向といわれていますが、ペット保険はその中で珍しい過去10年間で平均成長率117%と大きく伸びている市場です。しかもペット保険先進国である北欧などと比較すると、加入率はまだまだ低く、これから先も拡大が予想されています。

ペット保険は保険業界の中で珍しく伸びている市場

成長要因はシンプルにペットが増えているからです。2022年時点で国内の犬・猫飼育頭数は1491万頭で、なんと15歳未満の人口(1435万人)を上回っています。治療費も増加傾向にあり、2018年の3万1900円から2022年は3万7600円に増加しています(ペット&ファミリー損害保険調査、1請求あたりの治療費)。

国内の犬・猫飼育頭数は15歳未満の人口より多い

成長著しいペット保険ですが課題もあります。それは継続率が低いことです。ペット&ファミリー損害保険の調査によると、ペット購入時にペットショップで保険に加入した人のうち、50%が4歳までに保険を解約していることが分かりました。

主に原因になっているのは、若齢期の割高感(健康な状態が続くことで必要感が薄れる)や加齢による保険料アップによる途中加入への躊躇などです。今回、PayPayほけんに加わる「これだけペット」はこうした課題を解消する保険料負担感の少ない商品設計になっています。

保険料負担感の少ない商品設計が特徴の「これだけペット」

【PayPayほけんのペット保険】必要な時期と年代に合わせた3つのプラン

「これだけペット」の特徴は大きく分けて4つあります。それぞれのポイントをみていきたいと思います。

1つめは「補償内容」です。これだけペットはお手軽プラン/基本プラン/安心プランの3つを用意しており、必要な時期と年代に合わせてプランをチョイスできるようになっています。お手軽プランであっても入院・手術に関しては支払限度に達するまでは日額制限・回数制限ともにないのもポイントです。以下、それぞれの詳細です。

【お手軽プラン】

  • 通院補償:なし
  • 入院・手術補償:50%
  • 年間限度額(入院):20万円
  • 年間限度額(手術):20万円
  • 年間限度回数:無制限
  • 月額保険料の目安:猫(0~2歳)540円、小型犬(0~2歳)590円

【基本プラン】

  • 通院補償:50%
  • 年間限度額:2万5000円(1回5000円)
  • 入院・手術補償:70%
  • 年間限度額(入院):20万円
  • 年間限度額(手術):20万円
  • 年間限度回数:無制限
  • 月額保険料の目安:猫(0~2歳)1030円、小型犬(0~2歳)1190円

【安心プラン】

  • 通院補償:70%
  • 年間限度額:10万円(1回1万円)
  • 入院・手術補償:70%
  • 年間限度額(入院):40万円
  • 年間限度額(手術):40万円
  • 年間限度回数:無制限
  • 月額保険料の目安:猫(0~2歳)1540円、小型犬(0~2歳)1850円

2つめは「低価格」ということです。3つのプランはそれぞれペット年齢によって値上がりする設計になっていますが、もっとも安い「猫(3~5歳)」は490円とワンコイン以下になっています。年齢に合わせてプランを変更するなども柔軟にできるので、ペット保険の課題として挙げた「割高感を感じている人」にも選びやすいでしょう。

業界最安水準の根拠はやや複雑ですが、「ペット保険を扱う保険会社のうち、補償内容が通院・⼊院・⼿術を対象とし補償割合が50%の商品がある保険会社14社(引受保険会社であるペット&ファミリー損害保険株式会社を含む損害保険会社8社・少額短期保険会社6社)のペット保険商品を所定の条件で⽐較した結果、0歳〜15歳の各年齢の⽉額保険料について、PayPayほけんの「これだけペット」の基本プラン(⼩型⽝・猫)の保険料が、最も多くの年齢区分で他社を下回った」としています。

各プランの年齢別の保険料金

3つめは「簡単な加入・請求手続き」です。これは他社比較ではなく、PayPayほけんならではの魅力といえる部分ですが、PayPayアプリからワンストップで手続きを完了することができるため、保険商品特有の難しさを感じさせない設計になっています。すでにPayPayほけんを利用している人であれば、よりスムーズに手続きを進められるはずです。

4つめは「お得感」です。PayPayの名を冠するサービスなので、もちろん利用することでPayPayポイントを獲得することができます。付与ポイントはPayPayステップに準じたPayPayポイントだけでなく、保険料1%分のポイントも加算されます。PayPay残高/ポイントでの支払いも可能です。

【PayPayほけんのペット保険】保険ではなく「ほけん」の理由

PayPayほけんは2020年1月にリリースした「Yahoo!オークションあんしん修理」を皮切りに細かいニーズに応える保険商品を矢継ぎ早に展開。2023年12月時点で累計加入件数は500万件を突破するなど、急成長を遂げています。

PayPayほけんは短期間で急成長している

同社の保険はYahoo!での商品購入・旅行予約と同時に保険加入する「シナリオ保険」とPayPayアプリから簡単に加入・請求ができる「PayPayほけん(ミニアプリ)」の2種類があり、今回の「これだけペット」は後者にあたります。

「PayPayほけん(ミニアプリ)」は「これだけペット」を含めて、現在11種類を提供しており、売上の半分以上を占める「あんしんドライブ」のような定番の短期保険だけでなく、業界初の熱中症特化保険「熱中症お見舞金」のようなユニークな商品もラインナップしています。

PayPayほけん(ミニアプリ)の「これだけペット」以外のラインナップ

同社の兵頭裕・代表取締役社長CEOは発表会で「PayPayほけんが『保険』ではなく『ほけん』としているのは、『情報技術のチカラで、保険を手軽で身近なものに』というミッションがあるから。もっと保険を分かりやすいものにしていきたい」とコメントしました。

兵頭裕・代表取締役社長CEO

「当社は保険代理店だが、保険会社の既存の保険を販売するのではなく、こんな保険があったらいいなというものを保険会社と一緒に一から作っている」と他社との違いを説明。「これだけペット」もペット&ファミリー損害保険株式会社が引受保険会社となり、共同で商品化したものだそうです。

今後目指すのは「保険はPayPayほけんで十分」というポジションの確立で、(1)必要な保険にすぐ入れる(2)良い商品がある(3)悩みが解決されるなどの要素を満たす新商品の開発・販売を継続していく考えです。

参考資料

  • 「PayPayほけん」
  • PayPay保険サービス株式会社リリース「PayPayほけん、PayPayから加入できるペット保険『これだけペット』の提供を開始~業界最安水準の保険料とシンプルでわかりやすい補償内容で、ペットの治療費を補償 ~」

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