マカオ拠点のクレカ犯罪グループ摘発…スマホと紐付け非接触式決済用いる

警察が公開した証拠品(写真:マカオ司法警察局)

 マカオ司法警察局は3月21日、マカオを拠点とする非接触式決済を用いたクレジットカード犯罪グループを摘発し、マカオ人の男2人と女1人の計3人(いずれも30代)を逮捕したと発表。

 同局によれば、昨年(2023年)12月19日、マカオに所在する銀行と海外のクレジットカード発行組織から同月少なくとも71人の海外客のクレジットカードがマカオの複数店舗で110回にわたって異常決済され、被害額は593万6962パタカ(日本円換算:約1111万円)に上ることがわかったとの通報が寄せられたとのこと。

 通報を受けて同局が捜査を進めたところ、これらのクレジットカードが短時間内にマカオの複数の自動車店、美容院、エンジニアリング会社で110回にわたって決済され、いずれもスマートフォンに紐付けしたとみられる非接触型の決済だったことが判明。また、カネの流れを追う中で決済があった店舗及び会社のオーナーらが関与している疑いが濃厚となり、20日午後に一斉摘発を行い、上述の3人を逮捕するとともに、それぞれの店舗、会社、被疑者の自宅など関係先から決済端末、現金、他人名義のクレジットカードなど証拠品多数を押収。

 同局では、3人は密接な間柄で、いずれも捜査に対して協力を拒否しているものの、昨年11月末頃から違法な手段で大量の他人名義のクレジットカード情報を入手し、スマートフォンに紐付けをしてそれぞれが経営する店舗で虚偽決済を行い、クレジットカード発行組織から少なくとも440万パタカ(約8235万円)を詐取していたことは明らかとして、全員を巨額サイバー詐欺、マネーロンダリング、組織犯罪の罪で検察院送致したほか、他に関与した人物の有無について捜査を継続中とした。

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