『火の鳥 いのちの物語』発売 巨匠・手塚治虫の壮大で美しい名作、「鳥の巣研究家」により初の“絵本化”

『火の鳥 いのちの物語』が金の星社から2024年4月下旬に発売される。手塚治虫『火の鳥』連載70周年記念出版企画で、初の絵本化となる。

『火の鳥』は、1954年~1988年に発表されたシリーズ漫画。手塚治虫のライフワークと位置付けられ、壮大なスケールで描かれた作品。生命はどこから来るのか? なぜ生きるのか?など、今を生きる人たちへ「火の鳥」が「生きること」について語る名作だ。『火の鳥』連載70周年となる今年、初の絵本化『火の鳥 いのちの物語』の発売が決定した。

刊行にあたり、文と絵を担当する鈴木まもるは「子供のころから手塚治虫先生の大ファンでした。中学生の時、月刊誌に「火の鳥」が連載され始め、その壮大な世界観、生命への賛歌などに心打たれ、何度読んだかわかりません。まさかまさかで、今回、小さなお子さんからわかる「火の鳥」の絵本を描くことになりました。最初は恐れ多くて心が乱れましたが、火の鳥が巣にいるところの絵を描いたら、火の鳥が嬉しい世界を教えてくれて、楽しく絵が描けました。小さなお子さんが、この絵本から、手塚先生の大きな世界に入るきっかけになってくれたらうれしいです。」とコメントしている。

また、手塚プロダクション取締役である手塚るみ子(手塚治虫氏・長女)は今回の絵本化に際し、「手塚治虫の『火の鳥』は学級図書で子供が初めて出会う手塚作品の1つです。ただ物語が壮大すぎて、ちょっと難しい物語に感じるかもしれません。私自身もずっと、「どう生きるべきか」を突きつけられる、難しく厳しい人間の業のドラマだと思ってきました。けれど生命というテーマを描くのに、じつは人間ドラマはそれほど必要なく、むしろ生き物たちに語られてこそ、その大切さがより鮮明に見えてくるということをこの絵本を読んで気づかされました。『火の鳥』が一番に伝えたいメッセージが、まるで美しい空のように、やさしい風の調べのように、子供の心を捉えてくれたら。そう願う一冊です。」と語る。

連載70周年の記念すべき今年、絵本版『火の鳥』を通じて親子で「生きるということ」について考えてみるのもいいかもしれない。

(文=リアルサウンド ブック編集部)

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