川崎市の公共施設トイレから汚水が川に36年間流出 排水管に接続ミス

白濁する五反田川。10日、川崎市多摩区の向ケ丘遊園駅付近(市提供)

 川崎市は22日、同市多摩区の公共施設のトイレから、汚水が約36年間、川に流出していたと発表した。施設の排水管に接続ミスがあったことが原因という。市は周辺の住宅街で、同様の誤接続がないか調べる。 

 汚水が川へ流出していたのは、多摩区栗谷にある「錦ケ丘老人いこいの家」と「錦ケ丘こども文化センター」が併設する市の公共施設で、今月7日、市民から「五反田川が白濁している」と連絡を受け、市が調査していた。

 同施設は当時、白い水性塗料を使って外壁塗装工事中で、はけを洗った際の塗料が濁った原因の一つだった。調査で、白濁の元をたどったところ、施設の水回りの排水管が、川まで伸びている雨水管に誤って接続されていることが分かった。現在はポンプで正しく接続されている。

 同施設が開館した1974年当初は浄化槽で汚水を処理し、88年ごろに汚水を汚水管に流すために改修された。このとき誤って接続し、トイレや流し場の排水が川に流れ出ていたと市はみている。市が毎月、実施している水質調査では、汚水の影響は「確認されていない」という。

 施設の周辺一帯は、1974年ごろ、民間事業者によって開発された住宅街で、公共下水道が整備された86年以降、浄化槽から、下水管への切り替え工事が進んだ。市は今後周辺の約130戸の住宅で同様の誤接続がないか調査する。

 汚水が流れ込んだ五反田川は、麻生区細山から小田急線に沿うように流れ、多摩区東生田で二ケ領本川に合流する。

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