妊娠7週、「流産かもしれない」との言葉に絶望。望みを託した医師の診断とは?

40歳元ファッションスタイリストの子宮頸がん闘病記。前編に続く後編です。

【連載 子宮頸がん日記#15】後編

不安に押しつぶされそうになりながらいざ診察へ

名前を呼ばれ、診察室に入ります。優しそうな雰囲気の初老の先生に今までの経緯を話します。

先生は、以下のようにおっしゃいました。

「今、超音波で赤ちゃんを診るのと、同時に子宮頸がん検査を同時に行うこともできます。

ただ、子宮頸がんは妊娠中はそこまで進行しないと言われてるんです。

今、目視と超音波で確認してみて、大きながん症状が見られないなら、また妊娠12週頃の検査で問題ないと思いますよ。」

とのこと。

「えっそうなの?子宮頸がんってそこまで不安にならなくても良いってこと!?」と軽く安堵します。

ついでに「前回診てもらったクリニックでは、子宮頸がんの疑いがある人は妊活してはいけないと言われたのですが、実際にそうなのでしょうか?」と聞いてみました。

「ははは!そんなこと言われたの?検査で問題無いって言われたら当然妊活したって問題ないに決まってますよ。じゃなきゃみんな心配で誰も妊娠なんてできなくなっちゃうよ」

とのこと。

はぁー良かった。

心のどこかで、私が子宮頸がん予備軍だから、赤ちゃんがちゃんと育たないのかもしれない。私はもう妊娠できないのかも…と不安を感じていたのです。

でもこのクリニックの先生に「そんなことないよ」とおっしゃっていただけたおかげで、心がすっと軽くなりました。

いよいよ赤ちゃんの心拍確認へ

子宮頸がん検査は後日ということになったため、今回のメインイベントでもある赤ちゃんの心拍確認に。

診察台にあがり、エコー画像が見えるモニターを凝視します。

あ!なんかある!丸い赤ちゃんっぽいのがある!と心の中で喜ぶ私。前回よりも大きくなっているようにも見えます。

先生はいろんな角度から時間をかけてモニターを見つめています。

長い沈黙。

「うーーーん。胎嚢もしっかり子宮内にあるね。サイズから見ても確かに7週後半ではあるんだけど、心拍も確認できないし、胎芽(赤ちゃん)も見えないね・・。

ただ、現時点で100%流産とは言い切れないから、来週もう一回確認して、それでも心拍が確認できないなら稽留流産という診断になるかな。」

とのこと。

はっきり「流産」という言葉が出たのは、今回が初めてでした。

前回のクリニックでは嫌な医師というのもあり、心のどこかでこの医師の言うことは信用できない(信用したくない)という想いもあったのです。

しかし、いろいろな情報を見ていく中で、7週で心拍確認ができないのは、もう難しいんじゃないかという気持ちもありました。

でもそれもすべて、私が心配症なだけで、本当は心拍確認ができて、「心配し過ぎだった!赤ちゃんは大丈夫だった!」って全て上手くいくという期待もあったのです。

でも、先生から伝えられた流産の可能性。

現実を受け止めきれないまま、ふらふらと診察室を出ます。

待合室にはお腹の大きい妊婦さんがたくさん待っています。

この幸せそうな妊婦さんの中で、赤ちゃんが育っていないのは私だけ。みんなはちゃんと妊娠できているんだ。

そう考えてしまい、涙があふれてきました。

ポジティブで、鉄メンタルの私がこんなことで泣くなんて。

そう思いながらも、溢れ出る涙を抑えきれなかったのです。

▶▶【つづき】は3月30日(土)配信予定です

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