マカオで発生した強盗事件の容疑者4人を逃走先の広東省で逮捕…両地の警察当局連携でスピード解決

逃走先の広東省内で逮捕された強盗事件の容疑者(写真:マカオ司法警察局)

 マカオ司法警察局は3月23日、同月22日午後にマカオ・コタイ地区に所在する統合型リゾート(IR)併設ホテルの客室で発生した強盗事件について、広東省の警察当局との連携によりスピード解決に成功したと発表。

 同局によれば、被害者はマカオで「換銭党」と呼ばれる違法な両替に従事する香港居民の男で、ソーシャルネットワーキング(SNS)プラットフォーム上で50万香港ドル(日本円換算:約968万円)の両替を必要としている人物がいるのを知り、相手と取引を行うことになったため、3月22日午後に客から指定されたホテルの客室を訪れたところ、室内には2人の男がいたといい、現金を数えている途中で相手の男らから突然スタンガンで頭と背中を攻撃され、しばらく意識を失っている間に紐で手足を縛られた状態となり、相手に現金を持ち去られたが、その後、自分で紐を解いて脱出し、ホテルスタッフを通じて警察に通報したとのこと。

 通報を受けた同局が捜査を進めたところ、部屋の中にいた男2人のほか、さらに別の男2人が犯行に関わっていたことが判明。4人は犯行後すぐにマカオ半島北部にある關閘イミグレーション経由で中国本土へ逃走を図っており、同局が身元を特定の上で中国本土の警察当局との警務協力メカニズムを発動させ、広東省公安庁の指揮の下、広州市公安局、珠海市公安局、東莞市公安局が合同作戦を展開した結果、発生から8時間以内に広州、珠海、東莞の3市内で容疑者4人(いずれも30代、中国本土居民)を逮捕するに至ったという。

警察が公開した強盗事件の証拠品(写真:マカオ司法警察局)

 マカオ司法警察局では、マカオと中国本土の警察当局間における警務協力メカニズムが効果を発揮したとし、今後もクロスボーダー犯罪への打撃に継続して取り組んでいくとした。

 マカオのカジノでプレイする際には主に香港ドル建てのチップが用いられることから、中国本土から人民元を持ち込む旅客にとって香港ドルの現金やチップとの両替が必要となるケースがある。

 かねてよりマカオのカジノ施設内外においては、換銭党が暗躍し、これにまつわる各種犯罪も頻発していることから、警察当局が換銭党を社会及びカジノにおける治安悪化の元凶と位置付け、度々大規模掃討作戦を展開するなど、取り締まりを強化して臨むほか、インバウンド旅客に対して詐欺被害を避けるため正規ルートでの両替を行うよう呼びかけもなされている。

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