30分だけの集まったバイク400台 主催者「持ってる人って優しいんですよ」 カブからハーレーまで「沖縄チャリティーラン」 能登に40万円寄付

「沖縄チャリティーラン」を企画した神谷直樹さん(手前左)と呼びかけに応じた仲間たち=17日、中城村護佐丸歴史資料図書館隣の同村公共駐車場

 排気量50~2千ccのバイク400台が17日、沖縄県中城村公共駐車場に集結した。集合写真を撮ると解散した。滞在時間は約30分。不思議なこのイベントは、過去にも県内各地で開催された「沖縄チャリティーラン」。バイク愛好家が道中を楽しみながら会場入りし、被災地の支援のために寄付する。実行委員会代表の神谷直樹さん(48)=宜野湾市=は「バイク持ってる人って優しいんですよ」と笑顔で語る。(中部報道部・平島夏実)

 神谷さんがチャリティーランを初めて企画したのは東日本大震災が発生した2011年。福島県にいる友人と数日たってやっと電話が通じ、「何か力になりたい」と考えた。

 20代の頃、バイクで全国を旅した経験がある。その時に出会った各地のバイク愛好家に呼びかけると約80台が集まった。その後、大地震に襲われた熊本や大阪北部、豪雨に見舞われた西日本のほか、児童施設支援や首里城再建にも協力した。参加するバイクの台数は年々増えていった。

 今回は40万5千円が集まり、中城村観光協会を通じて能登半島地震の被災地に全額寄付した。海外から駆け付けて県内でレンタルバイクを手配した人や、静岡県から愛車を持ち込んだ人もいたという。

 スーパーカブ、ハーレーダビッドソン、カワサキZなどに混じって会場では名護市の松田正浩さん(62)のバイクがひときわ目立った。人と同じくらいの大きさのクマのぬいぐるみ「ユキちゃん」と2人乗り。トランクにお菓子やおもちゃを詰めて、中城村までの道中、観光客らに配った。

 松田さんは「コロナで消えてしまったみんなの笑顔を取り戻したくて。こういうチャリティーランはいいね。あの人いるかな、会えるかなって、お互いに生存確認できる場」とほほ笑んだ。

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