協力を深めるエアバスと中国の航空産業チェーン

協力を深めるエアバスと中国の航空産業チェーン

 【新華社天津3月25日】中国天津市にある欧州航空機大手エアバスのA320型機アジア最終組立工場ではこのところ、新工場建屋の建築設計図を完成させ、施工区画に仮囲いを設置し、電力系統の工事を行うなど、2本目の生産ライン建設の準備作業が急ピッチで進められている。

 エアバス社と中国の協力は1985年に始まった。40年近くが経過し、同社と中国の産業協力総額は2005年の3450万ドル(1ドル=約151円)から、20年には約10億ドルまで上昇した。加速し続けるエアバスと中国の協力進行過程も、双方の工業生産の深い融合を物語っている。

 05年、エアバス(北京)工程技術センターが設立された。17年、同社はアジア初のイノベーションセンターとして、広東省深圳市に中国イノベーションセンターを開設。23年4月には江蘇省蘇州市の蘇州工業園区(蘇州工業パーク)に中国研究開発センターを立ち上げた。エアバスが中国で構築した現地サプライチェーン(供給網)のエコシステムが徐々に形を整えるにつれ、ブラケット、コーナーパーツ、シートなどの小型部品から機体の胴体部分、翼、キャビンドアなど大型部品まで、エアバス機の「中国要素」はますます増えている。

 現在、中国ではサプライヤー約200社がエアバス社に製品を供給しており、エアバス製民間機全てのモデルに中国企業が生産した部品が使われている。

 民間航空機協力に加え、エアバスはヘリコプター分野でも協力を拡大している。同社傘下のエアバス・ヘリコプターズは現在、中国の民間ヘリコプター市場で34%のシェアを占め、同社のヘリ330機以上が中国の空を飛び、100近くの中国顧客にサービスを提供している。

 40年近くにおよぶ深い協力により、中国の関連産業チェーンの改善が進んだだけでなく、エアバスも中国から世界へ供給する能力を持つようになり、世界の航空産業の発展を後押ししている。(記者/李帥、王暉)

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