西日本豪雨の被害受け工期を短縮 小田川の合流点付け替え工事が完了 岡山・倉敷市

西日本豪雨で大きな被害を受けた岡山県倉敷市真備地区で、小田川と高梁川の合流点を下流に付け替える工事が完了しました。

(記者リポート)
「小田川と高梁川の新しい合流地点です。画面手前が小田川で、奥が高梁川です。本格工事から5年。ようやく整備が完了しました」

2018年の西日本豪雨では、高梁川の水位が上昇し、支流の小田川の水が流れにくくなる「バックウォーター現象」が発生し、小田川や支流の決壊や氾濫につながったとされています。

この小田川と高梁川の合流点付け替えを巡っては、2010年に整備計画が策定されていて、当時は2028年度に完成させる予定でした。しかし、豪雨災害を受けて工期を5年短縮して整備が進められていました。

そして23日、柳井原貯水池を小田川のバイパスとして利用し、高梁川への合流地点をもとの位置から約4.6km下流に移す工事が完了しました。これによって、洪水時に小田川の水位が元の流れより大幅に低下するということです。

完成に合わせて23日、式典が開かれ、地元の関係者ら約550人が復興への節目を祝いました。

(倉敷市真備地区の住民は―)
「すごくきれいにしていただいて感謝している」
「安心材料が増えて、より一層これからソフト面でも住民として頑張っていきたい」

さらに、小田川沿いには新たに水防センターが整備されました。災害時に水防活動の拠点になるとともに、平常時は住民らがコミュニティ活動などで活用することを想定しています。

(高梁川・小田川 緊急治水対策河川事務所/濱田靖彦 所長)
「治水安全度は大きく向上しています。しかし、昨今の気象状況を考えると『絶対に安全』とは言い切れないと思いますので、引き続き備えていただいて、危ないと思ったら早めの避難を」

© 株式会社瀬戸内海放送