福島県人口ビジョン、5年ぶり更新へ 「40年150万人」焦点に

 県は、総人口の将来推計などを盛り込む「県人口ビジョン」を5年ぶりに更新する。同ビジョンは県政を進める上であらゆる計画・事業の基礎となり、現在は2040年の総人口を「150万人程度」とする目標を掲げている。目標値を修正するかどうかを含めて慎重に検討を進め、年内の更新を目指す。

 25日に県庁で開いた地域創生・人口減少対策本部会議で方針を示した。本県の人口は1998年の214万人をピークに減少を続け、現在は176万人を割る。

 特に就職や進学を契機とする若年層の流出が深刻で、転出から転入を差し引いた社会減は全国の都道府県で4番目に多い。

 国立社会保障・人口問題研究所は昨年12月、2040年の県内人口を144万9000人とする将来推計を公表した。県はこの推計やデジタル技術の進展なども踏まえ、人口の目標値を維持するかどうかを判断する。

 同ビジョンの更新を踏まえ、次期「ふくしま創生総合戦略」(25~29年度)も来年3月までに策定する。24年度までの現戦略は、県の各種施策が▽出生増▽死亡減▽転入増▽転出減―のどれに効果があるかを整理し、成果目標も見直した。

 内堀雅雄知事は本部会議で「総合戦略の成果は着実に表れているが、現状は人口減に歯止めがかかっていない。一人一人の職員まで危機感を共有してほしい」と各部局長に呼びかけた。

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