福島赤十字病院で「新治療」 前立腺肥大症に緑色光レーザー使用

レーザーを使った手術の様子(福島赤十字病院提供)

 福島赤十字病院(福島市)は、中高年の男性に多い前立腺肥大症に関し、緑色光レーザーを使った新しい手術を始めた。従来の電気メスで前立腺を切除する方法より出血量が少なく、体への負担も小さいという。

 同病院は、手術が難しかった高齢者や血流を良くする抗凝固剤を服用中の人にも手術が可能になるとしている。

 同病院は今月に初めて緑色光レーザーを使った手術を実施した。手術ではぼうこうに内視鏡を入れてレーザーを照射し、熱で前立腺を焼き飛ばして蒸発させ、尿道を広げる。従来の手術だと術後に尿道カテーテル入れておく期間が長いため1週間以上の入院が必要だが、今回の手術では術後2日でカテーテルを抜くことができたという。保険診療も可能としている。

 前立腺肥大症は高齢化に伴い前立腺が大きくなることで尿道を圧迫し、尿勢低下や残尿感の原因となっている。服薬で改善しない場合は手術を検討することになる。手術を担当した片岡政雄泌尿器科部長は「これまで手術できなかった方にも治療できるようになった。より多くの方の症状が改善できると期待している」と話した。

 同病院によると、県内では会津若松市の竹田綜合病院でも同様の手術が行われており、中通りでは初めて。

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