豪華なライブや巨大証書! 名桜大の卒業式、サプライズ連発 「コロナ禍で失われた青春を」と学生9人が企画 沖縄

 沖縄県名護市にある名桜大学の学生9人が、地元企業から集めた協賛金で、卒業式にサプライズを演出した。県出身アーティスト、かりゆし58が出演するライブを開催し、記念撮影用の巨大卒業証書パネルを設置した。「コロナ禍で失われた青春を取り戻そう」を合言葉に企画し、実現させた。(北部報道部・松田駿太)

 ボランティアサークルの代表で卒業生の山下寛人さん(22)が考案し、企画に共感した卒業生3人と下級生5人と共に取り組んだ。

 名護市を中心に地元企業を一軒一軒回り、約100社から協賛金250万円を集めた。

 協賛金で、同市内の看板屋に発注して巨大卒業証書パネルを制作。卒業式当日は、はかまやスーツで着飾った卒業生が列を作り、パネルをバックに笑顔で記念撮影した。

 スペシャルライブでは、かりゆし58のボーカル、前川真悟さんが「もうすぐ今日が終わる。やり残したことはないかい」と人気曲「オワリはじまり」を歌い出すと、座って聴いていた学生が立ち上がって隣同士で肩を組みながら合唱。4月からそれぞれの道に進む仲間と最後の時間をかみしめた。

 山下さんは「僕らの代は入学式も学園祭もコロナでなくなり、最初は周りの友達が何をやっているかも分からなかった。始まりは思い通りにいかなかったが、最後は特別な時間にしたかった」と語った。

 卒業生の仲村俊人さん(22)は「豪華なライブで、最高の卒業式になった」と話した。

「かりゆし58」のライブで盛り上がる名桜大の卒業生ら
巨大卒業証書パネルの前で記念撮影する名桜大の卒業生=20日、名護市為又の同大

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