【大谷翔平選手の会見全文】元通訳の水原一平さんが「僕の口座に勝手にアクセスして、ブックメーカーに送金していた」

会見するドジャースの大谷=日本時間3月26日、米ロサンゼルス(Jon SooHoo/LADodgerst提供・時事通信)

メジャーリーグ・ドジャースの大谷翔平選手の通訳を務めてきた水原一平さんが違法ギャンブルに手を出したことで解雇されたと報道されている件について、大谷選手が初めて経緯を説明しました。
大谷選手の記者会見が行われたのは日本時間3月26日。アメリカ・ロサンゼルスの本拠地ドジャー・スタジアムで行われるエンゼルス戦の試合前のことでした。声明を日本語で読み上げる形で通訳を交えつつ約17分ほど説明したあと、質問は受けずに終わりました。
今回の声明の中で、大谷選手の口座に水原さんは「勝手にアクセスして、ブックメーカーに送金していた」と説明されました。大谷選手自身は「スポーツ賭博には関与していない」として関与を否定しました。
ESPN は日本時間3月21日、水原さんのギャンブルの借金の埋め合わせとして、大谷選手の口座からブックメーカーと呼ばれる賭け屋に450万ドル(約6億8000万円)が送金されていたと報道。各所で波紋を呼んでいました。
大谷選手の会見全文は、以下のようになっています。

大谷翔平選手と通訳の水原一平さん=2024年3月5日、米アリゾナ州グレンデール(時事通信)

大谷選手の会見全文

「まず皆さん、来ていただいてありがとうございます。僕も話したかったのでうれしく思っていますし、チームの関係者の皆さん、僕自身もそうですけど、ファンの皆さんもここ1週間くらい、厳しい1週間だったと思うんですけど、皆さん含めて、我慢とご理解していただいたのは、すごくありがたいなと思っています」
「まず、僕自身も信頼していた方の過ちというのを悲しくというか、ショックですし、今はそういう風に感じています」
「現在進行中の調査もありますので、今日話せることにまず限りがあるというのをご理解いただきたいということと、また、今日ここに、詳細をまとめた、分かりやすく皆さんにお伝えするためにまとめたメモがありますので、そちらの方に従って、何があったのかというのを、まず説明させていただきたいと思います」
「まず初めに僕自身は、何かに賭けたりとか誰かに代わってスポーツイベントに賭けたりとか、それをまた頼んだり、ということは無いですし、僕の口座からブックメーカーに対して、誰かに送金を依頼したことももちろん、全くありません」
「本当に数日前まで、彼がそういうことをしていたというのも全く知りませんでした」
「結論から言うと、彼が僕の口座からお金を盗んで、なおかつ、みんな、僕のまわりみんなにウソをついていたというのが、結論から言うとそういうことになります」
「まず初めに言うと、先週末、韓国で僕の代理人に対して、メディアの方から『私が……。(胸に手を当てて)僕の意味ですね。違法なブックメーカーから僕が関与しているのではないか?賭博について関与しているのではないか?』という連絡がありました」
「一平さんは、僕に『こういった取材の依頼がある』ということもまず僕には話していなかったし、僕の方にそういう連絡はまず来ていなかったということと、まず初めに代理人には一平さんは僕と話して分かったのは一平さんにではなく『某友人の借金の肩代わりとして支払った』というふうに、僕の代理人含めてみんなに話していました」
「その翌日に、さらに尋問で一平さんは僕たちの代理人に対して『借金は自分のもの、一平さん自身が作ったものだ』ということを説明しました。『それを僕が肩代わりした』という話をそのとき代理人に話したそうです」
「そしてこれらは、まったく全てがウソだったということです」
「一平さんは取材依頼のことも、僕にはもちろん伝えていなかったですし、代理人の人たちに対しても、『僕はすでに彼と話して、コミュニケーションをとっていた』とウソをついていました」
「そして、僕がギャンブルに関しての問題を初めて知ったのは、韓国の第1戦が終わった後に行われたチームミーティングの時です」
「そのミーティングで彼は全部英語で話していたので、僕にその時、通訳がついていなくて、全て英語で話していたので、完全には理解できていなくて、何となく、こういう内容だろうなというのは理解できていましたけど、何となくそのときは違和感を感じていました」
「その時、彼は僕に対して、『ホテルに帰った後で2人でより詳しいことを話したいので、今は待ってくれ』と言っていたので、僕はまずそのときはホテルまで(話してくれるのを)待つことにしました」
「僕は一平さんはミーティングのときに、ギャンブル依存症だというのは知らなかったですし、彼が借金していることも、そのミーティングのときはもちろん知りませんでした」
「僕は彼の借金返済にも、もちろんそのときも同意してませんし、ブックメーカーに対して『送金してくれ』と頼んだことも、もちろん許可したこともないです」
「そのあと試合後、ホテルに戻って一平さんと初めてそこで話をして、彼に巨額の借金があることをそのとき知りました」
「彼はそのとき私に、僕の口座に勝手にアクセスして、ブックメーカーに送金していたということを僕に伝えました。僕は『やっぱりおかしい』『これはおかしいな』と思って、代理人と話したいということで、代理人たちを呼んでそこで話し合いました」
「話を終わってこれを聞いて、僕の代理人も彼にウソをつかれていたということを初めて知って、すぐにドジャースの皆さんと弁護士の人たちにそのとき連絡しました。そのドジャースの皆さんも、代理人の人たちも彼らも、そのときにはじめて自分たちもウソをつかれていたことを知りました」
「そして弁護士の人たちが、これは窃盗と詐欺のことなので、これは警察当局に引き渡すという報告をしました」
「これが、そこまでの流れなので、僕はもちろん、スポーツ賭博には関与していないですし、ブックメーカーに送金をしていたという事実は全くありません」
「正直、ショックという言葉が、正しいとは思わないですし、それ以上の、うまく言葉では表せないような感覚でこの1週間くらいは過ごしてきたので、今はそれを言葉にするのは難しいと思っています」
「ただ、シーズンも本格的にスタートするので、ここから、弁護士の方々にもお任せしますし、僕自身も警察当局に全面的に協力したいなと思っています」
「気持ちを切りかえるのは難しいですけど、シーズンに向けてスタートしたいですし、今日まずお話しできてよかったなと思っているので。今日は質疑応答は、これが今お話しできる全てなので、質疑応答はしませんが、これからさらに進んでいくと思います。以上です。ありがとうございました」

アメリカのテレビ局「FOX4」による大谷選手の会見動画(11分〜28分40秒付近)

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