新天地“開幕”は流動的 金谷拓実「松山さんはいい時も悪い時も…」

国内開幕へ雨の中で調整(撮影/亀山泰宏)

◇国内男子◇東建ホームメイトカップ 事前(26日)◇東建多度カントリークラブ・名古屋(三重)◇7069yd(パー71)

新天地として思い描いたはずのDPワールドツアー(欧州ツアー)で、金谷拓実はまだ今季1試合も出場できていない。昨季の日本ツアー賞金ランキング上位の資格で出場権を獲得。ギリギリの3番手だったこともあり、厳しい状況は覚悟していた。

「もう少し出られる試合もあるのかなと思って準備はしてきたんですけど…」と無念さをにじませながら、「目の前にある一つひとつの試合で結果を出せれば、こういった状況も変えられると思う」。必死に悔しさをのみ込む。

昨季に比べると予選会からフィールド入りしている選手が多く、もともと限定的な資格となる金谷の出場優先順位はさらに低下しているという。現地でのウエーティングを辞さないつもりでも、「最初からギリギリでもなかったり…」。繰り上がりでの出場可能性がゼロに等しければ、さすがに海を渡れない。今週も、旅支度を済ませていた「ヒーローインディアンオープン」への滑り込みを断念して国内ツアー開幕戦に切り替えた。

松山英樹が2月のPGAツアー「ザ・ジェネシス招待」で2年ぶりの優勝を遂げた姿には勇気づけられた。なかなか海外で結果を出せなくても、追い続けている先輩の背中。「ここ最近、皆さんも調子が悪いのかなとか思っていたかもしれないですけど、松山さんはいい時も悪い時も(練習を)続けてきたから、そうやって結果に結びつくんだなって。松山さんのすごさを感じた試合でした」。3カ月くらいで、へこたれるわけにはいかない。

いまだ初戦が定まらない欧州でのチャンスをうかがいながら、アジアや日本でしっかり成績を残していくこと。その積み重ねを世界ランキングポイント、海外メジャー切符につなげていく。「(スケジュール的に調整が)難しい部分もありますけど、1試合1試合、優勝を積み重ねていけば、そういったものも関係ないと思う。今週も優勝を目指して頑張りたい」。3年前に続く大会2勝目を狙う。(三重県桑名市/亀山泰宏)

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