ギャンブル依存症の息子を持つ女性が語るその恐ろしさ 「やめたい、やめたい…でも」 【長野】

メジャーリーグ・ドジャースの大谷翔平選手が日本時間の26日朝、元通訳の水原一平さんの違法賭博問題について初めて取材に応じました。水原さんはギャンブル依存症と報じられています。その苦しみを知る家族に話を聞くことが出来ました。

■大谷翔平選手
「僕自身は何かに賭けたりとか、誰かに代わってスポーツイベントに賭けたりとか、それを頼んだりとかそれはないですし、僕の口座からブックメーカーに対して誰かに送金を依頼したことも全くありません」

ロサンゼルスで報道陣の取材に応じた大谷選手は違法賭博への関与を全面否定しました。
大谷選手の隣でつい先日までサポートしていた水原一平さん。複数のメディアによりますと、「ギャンブル依存症だ」と話したと言います。

身を滅ぼすほどのめり込むギャンブル依存症。
3年前、息子の症状が発覚し、依存症家族の会で活動する女性は、まじめな人の方がかかりやすいと言います。

■全国ギャンブル依存症家族の会の女性
「高学歴・高収入の人多いです。まじめに働いて立派な人がなる可能性が高いです」

ギャンブルで勝つことでドーパミンという物質が大量に放出され、快感を得ることを繰り返し破滅に向かうギャンブル依存症。

「Q何にはまっていったんですか?」

■全国ギャンブル依存症家族の会の女性
「オンラインカジノです。(携帯の)ゲームで遊んでいるのかなと思っていたので本当にギャンブルでお金をかけているとは思わなかったです」

コロナ禍で在宅率が増え、問題視されているのがオンライン賭博です。県によりますと、これまではパチンコに依存する人が多かったものの、最近はオンライン賭博に変わってきていると言います。
また成人の3.6%がギャンブル依存症が疑われる状態になったことがあるということです。

■全国ギャンブル依存症家族の会の女性
「本人もやるたびに、『やめたい、やめたい』というようなことは言っていて、それは本当なんです。ただやっぱり理性とかでは止められない病気なので…」

26日朝の会見。

■大谷翔平選手
「彼が僕の口座からお金を盗んで、なおかつみんな、僕の周りにもそうですし、みんなにうそをついていたというのが」

家族会の女性はこの言葉こそまさに症状の1つだと話しています。

■全国ギャンブル依存症家族の会の女性
「うそをついてまでする病気なんですね。友達に借りるようになってそこでまた資金が出来てかけるようになって、どんどんどんどん信頼を失っていきました」

現在、治療のための薬はありません。県内では相談窓口や専門の医療機関もあります。

■全国ギャンブル依存症家族の会の女性
「一番は同じ境遇の仲間と話し合いをして回復していく。家族だけでは無理です。どうしても追いつめられる自分は借金のことしか頭に無いので、自殺していく人は本当に多いです」

回復したとしても繰り返してしまう人が多いというこの病気。周りの理解が重要だということです。

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