フィリピン船の仁愛礁不法侵入などの問題で厳重申し入れ 中国外交部副部長

フィリピン船の仁愛礁不法侵入などの問題で厳重申し入れ 中国外交部副部長

中国外交部のホームページのスクリーンショット。(資料写真、北京=新華社配信)

 【新華社北京3月26日】中国の陳暁東(ちん・ぎょうとう)外交部副部長は25日、フィリピンのラザロ外務次官に電話し、フィリピンが仁愛礁の不法に「座礁」させた軍艦に建築資材を搬入しようとしたことについて厳重な申し入れを行った。

 陳氏は次のように指摘した。23日、フィリピンの一般民間船1隻と沿岸警備船2隻が中国政府の許可を得ず、勝手に中国南沙群島仁愛礁付近の海域に侵入し、同礁に不法に「座礁」させた軍艦に建築材料などの物資を搬入し、永久軍事歩哨所をつくり、長期不法占拠を実現しようとした。これは「南中国海各国行動宣言」に重大に違反し、フィリピン自らの約束に重大に背き、中国の領土主権と海洋権益を重大に侵害し、地域の平和と安定を破壊するもので、中国は断固反対する。中国は仁愛礁を含む南沙群島および付近の海域に対し、争う余地のない主権を有している。フィリピンは仁愛礁問題で繰り返し約束を反故にし、トラブルを起こしており、これが地域情勢を再三エスカレートさせている根本的原因だ。中国はフィリピンに対し約束を守り、共通認識を順守し、海上の権利侵害・挑発をやめ、情勢を複雑化させる一方的行動をやめ、中国と対話・協議によって意見の相違を適切に処理する正しい軌道に確実に戻すようあらためて促す。中国は引き続き国内法と国際法に従い、必要な措置を取り、国の領土主権と海洋権益を断固守る。

 陳氏はフィリピンの「海洋区域法」の立法推進および黄岩島、鉄線礁に対する権利侵害・挑発に関して中国の厳正な立場を表明し、次のように指摘した。フィリピンは南中国海仲裁裁定の不法裁決を援用し、立法の形で中国の黄岩島と南沙群島の大部分の島礁および関係の海域をフィリピンの海洋区域に入れようとしている。これは中国の南中国海における領土主権と海洋権益を重大に損ない、両国の海上係争を激化、拡大させ、南中国海の平和・安定と二国間関係の大局を損なうことが必至だ。中国は黄岩島と鉄線礁を含む南沙群島およびその付近の海域に対し、争う余地のない主権を有している。フィリピンは中国の再三の制止を顧みず、軍や警察、公船、航空機を頻繁に派遣し、黄岩島近隣空海域に侵入させ、鉄線礁に再三不法上陸させ、中国の領土主権を侵害し、「南中国海各国行動宣言」に違反している。中国はフィリピンが中国の主権を損なう立法プロセスを直ちに停止し、海上の権利侵害・挑発を直ちにやめるようあらためて強く促す。

 陳氏は次のように強調した。中国とフィリピンの関係は現在、岐路にあり、どこへ向かうのかについて、フィリピンは慎重でなければならない。中国はフィリピンが中国の懸念を確実に重視し、瀬戸際で踏みとどまり、中国と交渉・協議を通じて意見の相違を適切に処理する正しい軌道に早期に戻り、中国とともに二国間関係の大局と南中国海の平和・安定を守るようあらためて要求する。

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