「検体取り違え必要のない手術実施」阪大医学部附属病院が発表

 大阪大学医学部附属病院は26日、患者の検体を取り違え、不必要な手術をしたと発表した。手術を受けた男性の現在の体調には問題がないという。

検査で「腫瘍発見」も、手術後見つからず

 同病院によると昨年11月、50代男性の胃の腫瘍有無を確認するため、組織の一部を採取し検査したところ「ジスト」と呼ばれる稀な悪性腫瘍の一種であることが判明し、胃の一部を摘出する手術を実施した。ところが、術後に摘出した組織を調べたところ「ジスト」は見つからなかったという。

 このため検体の取り違えを疑い、手術を受けた男性と同じ日に同様の検査を受けた患者の検査結果を調べたところ、別の30代女性の検体と取り違えが起きていたことが判明した。なおこの女性についても手術を行なっており、悪性腫瘍を摘出できているという。検体を取り違えられ不要な手術を受けた男性については、術後に食欲の減退はあったものの、現在は体調に問題はないとしている。

 同病院は会見で、いつ取り違えが起きたのかが今も特定できていないとしたうえで、今後は患者情報の一致を厳密に行える照合システムを導入するとしている。病院長は「負担をかけた。非常に申し訳ないことをした」と謝罪している。

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