“プランB”から主力へ 遠藤航が移籍を語る「リヴァプールが俺に求めていたのは……」 地元メディアは「運命が一夜にしてどう変わるか証明」

写真:評価を高め続けているリヴァプールの遠藤 ©Getty Images

リヴァプールに所属する日本代表MF遠藤航が、同クラブに移籍を果たした昨夏を振り返った。

現在31歳の遠藤は、昨年8月にリヴァプールへと完全移籍で加入した。前所属先のシュトゥットガルトではキャプテンも務めた遠藤だが、リヴァプール移籍時は30歳とベテランの域に差し掛かっていたこともあり、獲得に懐疑的なメディアやファンも少なくなかった。

今季序盤こそプレミアリーグへの適応に苦しんだ感もあった遠藤だが、徐々にユルゲン・クロップ監督の信頼を獲得。今ではアンカーの第一選択肢になっており、チームを中盤の底から支えている。

リヴァプールの地元メディア『Liverpool.com』は「エンドウのこれまでの旅路は、フットボールの移籍には予測不可能な性質があること、運命が一夜にしてどのように変わるかということを証明している」と、リヴァプールで自身の価値を証明し続けている遠藤を称賛した。

「周囲から見落とされていたところから、多くのファンに祝福されるキープレイヤーになった。彼のストーリーは、忍耐力、チャンスが訪れたときのための備えがいかに重要であるかを強調している」

また『Liverpool.com』は、日本の動画ストリーミングプラットフォームおよび広告付無料ストリーミングテレビ『ABEMA』の独占インタビュー『挑戦者の逆転劇』に登場した際の遠藤のコメントも紹介。遠藤は昨夏の移籍劇について「行けるならリヴァプールだと思っていた」と振り返りつつ、次のように語った。

「(モイセス)カイセドがリヴァプールに行くと思っていた。ほぼ合意の話が出ていたし、(自分のリヴァプール移籍は)なくなったなと思っていた」

昨夏、リヴァプールはイングランド代表MFジョーダン・ヘンダーソンやブラジル代表MFファビーニョといった中盤の選手が退団。その後、クラブの守備的MFの補強は遅々として進んでいなかった。遠藤が語ったように、当初はカイセドのリヴァプール移籍が決定的かに思われたが、結局カイセドはチェルシーに移籍。最終的には遠藤に白羽の矢が立ち、リヴァプール移籍を果たした。

遠藤は「(メディアで)俺の獲得は『お買い得だった』と言われていると聞いている」とコメント。クラブとしての理想は“才能がある若い選手”の獲得だろうという見方を示しながらも、ベテランならではの強みがあることを示唆した。

「すべてのクラブが理想的なターゲットと契約できるわけではない。そうなると最後には経験がある選手を取ろうとする。俺は完全にそれ狙い。ずっと待っていた」

一瞬の好機を逃さず、名門クラブ加入を実現させた遠藤。ファンからの信頼は増す一方であり、今後もさらなる活躍に期待が懸かる。

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