首相聴取は「幕引きセレモニー」…野党酷評に動揺あらわ 「やってます感はもうたくさん」与党内にあふれる嫌気

岸田文雄首相(資料写真)

 自民党総裁の岸田文雄首相は26、27日に同党安倍派(清和政策研究会)の元幹部4人に対し、裏金事件を巡っての個別の聴取を行った。野党は「ただの幕引きセレモニー」(立憲民主党の杉尾秀哉氏)と酷評。27日の参院予算委員会では4人以外の議員への聴取対象拡大を示唆したものの、政府与党内も「やってます感はもうたくさん」(自民の閣僚経験者)との嫌気であふれている。

 「いやいや、そうじゃない! いやいや、あたかもそれが適用されるかのような仮定の質問へのお答えは控えます」

 同日の参院予算委で杉尾氏から「自民内で役職停止処分が下ったのなら当然、党総裁は続けないんですよね」と自身の対応を問われた首相は動揺もあらわに反論した。野党席からは「自身の処分の覚悟もないのに何ができるのか」と怒号が飛んだ。

 杉尾氏は「脱税の疑いもあるこれだけ大規模な不祥事を起こしておいて民間企業ならトップは引責辞任だ」と畳み掛けた。しかし、首相は「個人で資金を受け取った(違反となる)事例は確認されていない」と論点をずらし、正面から答えなかった。

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