リスキリング成果を実感する企業の36.5%が施策後の昇給・昇格を実施/Reskilling Camp

パーソルイノベーションReskilling Camp Companyが展開する、リスキリング支援サービス「Reskilling Camp(リスキリング キャンプ)」は、「リスキリング施策」に関する定点調査の結果を発表した。

本調査は四半期ごとに実施され、5回目となる今回は新たに、リスキリング施策の学習推奨時間の設定状況や、リスキリング施策後の昇給の実施状況などを聴取した。

※本調査でいうリスキリングとは、「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」と定義

※「Reskilling Camp」は、2024年2月1日から「学びのコーチ」よりサービス名称を変更

【調査概要】

  • 調査手法…インターネットリサーチFastask(ジャストシステム提供)でアンケート調査を実施
  • 調査対象…全国の企業にお勤めの方
  • 調査期間…2024年2月29日~3月1日
  • 対象人数…660名
  • 企業属性

※大企業(従業員数が300人以上の企業)

※中小企業とスタートアップ(従業員数が300人未満で、新規事業開発と成長を経営の主軸に置かない企業と従業員数が300人未満で、新規事業開発と成長を経営の主軸に置く企業)。大企業の子会社やグループ会社は含まれない

※製造業:電子部品・デバイス・電子回路製造業、情報通信機械器具製造業、電気機械器具製造業(上記に含まれないもの)、その他製造業

※通信情報サービス:通信業、情報サービス業、その他の情報通信業

リスキリング施策の実施率は43.0%で、前回調査に引き続き4割以上を維持

所属企業において、「直近1年の間で、従業員のリスキリング施策に関する取り組みを行いましたか︖」と質問したところ、「実施した」との回答は、前回の40.9%に比べ2.1ポイント増加し、今回は43.0%となった。

企業規模別でみると、大企業では、「実施した」との回答は前回と変わらず57.3%、中小・スタートアップ企業では、今回は33.2%(前回34.6%)となり、リスキリング施策は、引き続き大企業が先行して取り組んでいることがわかった、

重視するスキルは前回に引き続き「データ活用」がトップ

所属企業が取り組むリスキリング施策において、「重視されるスキルは何ですか?」と質問したところ、1位は「データ活用(39.4%)」、2位は同率で「ITプロジェクトマネジメント(33.9%)」「セキュリティ(33.9%)」、3位は「リーダーシップ(33.6%)」という回答だった。

企業規模別の回答をみると、大企業では1位は「データ活用(46.9%)」、2位は「ITプロジェクトマネジメント(42.2%)」3位は「クラウド活用(41.5%)」、に対し、中小・スタートアップ企業では1位は「セキュリティ(31.5%)」、2位は「データ活用(30.8%)」、3位「リーダーシップ(30.0%)」という回答に。企業規模問わず重視するスキルにデータ活用が注目されていることわかった。

リスキリング施策に成果を実感している企業は70%以上、前回調査と同水準

所属企業が取り組むリスキリング施策において、成果実感について質問したところ、「大きな成果が実感できた」が12.3%(前回16.4%)という回答だった。また、「成果を実感できた」との回答は、昨年5月からの調査内でもっとも多く59.6%(前回56.9%)となり、リスキリング施策の成果を感じている企業は前回調査に引き続き、全体で70%以上だった。

リスキリング施策の学習推奨時間は業務時間内が75.8%

所属企業が取り組むリスキリング施策において、「学習推奨時間は設定されていますか?」と質問したところ、「定められている」が64.3%、「定められていない」が33.2%、という回答だった。

さらに、リスキリング施策において1週間の学習推奨時間について質問したところ、「業務時間内で3時間以上~10時間未満」という回答が39.3%だった。「業務時間内」でのリスキリング施策は合計で75.8%となり、多くの企業が業務時間内に行っていることがわかった。

リスキリング施策の成果を実感している企業では、「リスキリング施策後の昇給・昇格」36.5%、「一時的なインセンティブ」の実施率が44%

所属企業が取り組むリスキリング施策において、優遇制度の状況について質問したところ、「一時的なインセンティブ付与」が44.0%、「リスキリング施策後の昇格」が36.5%、「異動希望の受理」が30.3%という回答だった。

また、成果実感別でみると、成果を実感している企業では、「リスキリング施策後の昇給」「リスキリング施策後の昇格」「一時的なインセンティブ付与」の実施率が80%以上だった。

リスキリング施策を行っていない企業の約半数は必要性を感じていない

リスキリング施策を行っていない企業に所属している方を対象に、「リスキリング施策に必要性は感じていますか?」と質問したところ、「必要性を感じている」が33.3%、「必要性を感じていない」が49.4%、という回答だった。

また、リスキリング施策を実施しない理由について質問したところ、1位は「検討が進まない(51.9%)」、2位は「時間がない(37.7%)」、3位は「予算がない(36.8%)」という回答になった。

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