全国初の私立夜間中学 4月1日に沖縄・南城市に開校 授業料は無料 学び直したい人もOK 沖縄県、珊瑚舎スコーレに認可

 学校法人「雙星舎(そうせいしゃ)」の私立夜間中学「珊瑚舎スコーレ東表(あがりおもて)中学校」が4月1日、沖縄県南城市佐敷に開校する。全国初の私立夜間中学校で、正式な卒業認定ができるようになり、進路の幅が広がる。25日付で県が正式認可した。

 現行の夜間中学はNPO法人珊瑚舎スコーレが運営している。県の特例措置で「中学卒業相当」と認められているが、進学先は県内の定時制や通信制に限られていた。

 学校法人運営の私立学校になることで、こうした制約がなくなる。

 授業料は無料。義務教育未修了者の他、学び直しをしたい人も対象とする。募集は7人で、現時点で3人が入学予定だ。

 雙星舎は22年3月に認可申請したが、県は運動場の面積などが設置基準を満たしていないとして不許可にした。その後、国から「教育上支障がなければ柔軟な対応が可能」との考えが県に示されたことや近く学校の運動施設を借りるなどしたことで、県は昨年10月、設置計画を「妥当」と判断した。

 星野人史理事長は今後、市町村と連携した「市町村教室」を開設し、学びの場をさらに確保したい意向を示した。「認可は大変ありがたい。学ぶ喜びを実感できる場所として門戸を広げていきたい」と述べた。(社会部・新垣亮)

(資料写真)自主夜間中学校で学ぶ生徒たち=2021年9月、沖縄県南城市佐敷

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